百五十二話 ページ16
「ちょっと待ってけ！まさが今がらヴィルサンだぢっと追っかげる気ですか！？」
「ウィ。危険は承知の上だよ。だが、どうか止めないでくれたまえ。
私は寮に戻り、恐ろしい事実に気がついてしまったのさ。」
「恐ろしい事実？」
「囚われたとき……ヴィルが………
スキンケア用品をなにひとつ所持していなかったことに！！」
「はい？」
「季節の変わり目は肌が揺らぎやすい。
適切のケアを怠れば、すぐに額や顎に禁断の赤き果実が実るだろう。」
「禁断の赤き果実って………？」
「たぶんそれって、ニキビのことじゃ……でも、そんなこと考えてる場合ですか？」
「ニキビ………それは若さの象徴であり、チャーミングでもある。しかし………
ヴィルは来週、雑誌のカヴァー撮影が控えているからね。
「撮影には万全なコンディションで」が彼の美学だ。」
「撮影もなんも、まず戻ってこられるかどがもわがんねのに……！！
っつが、あんた副寮長だべ！？寮あげたらまねべよ！」
「私はポムフィオーレ副寮長である前に、美を求め、美を助くことを人生のテーマとする、
「
ゆえに私は、我が友の美を守るために今………旅立つ！！」
「いや、そういうことを言ってるんじゃなくて……！」
「嘆きの島はどこにあるかわからないんじゃないんですか！？」
「嘆きの島の所在地は神秘のヴェールに包まれている………でも、心配はご無用さ。
私にはヴィルたちがどこにいるのか、”視える“からね。」
「視える？それってどういう…」
「ああ……刻一刻と日没が迫っている。名残惜しいが、私は行かねばならない。
それでは失礼するよ。アデュー！」
どこかで聞いたことがあるような決め台詞を言い残し、バタバタとハント先輩は箒で飛んで行った。
「ま、待ってくださいルークサン！ルークサーーーン！！
……行っちまった。
いくらルークサンでも、一人で乗り込むなんて、絶対危ないよ。
どうしよう。先生に報告………いや、その前に追いかけて止めたほうが……」
『そんなごちゃごちゃ考えてる暇があったらさっさと決めろよ！！行くのか、行かないのか！！』
「……でも、先生には大人しくしてろって………」
『そう言う問題じゃない！エペルくんがどうしたいのか！』
「………僕……僕は…………いや、俺は………俺は、ルークさんを追いかける！！
やっぱり俺、誰かがなんとかしてくれるのを眠って待ってるだけなんて、嫌だ！」
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サリー - 地獄の番人さん» コメントありがとうございます！これからも頑張っていくつもりです！ (2022年12月29日 10時) (
レス) @page4 id: bff6de7ecd (このIDを非表示/違反報告)
地獄の番人 - 続編おめでとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2022年12月27日 21時) (レス) @page3 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サリー | 作成日時：2022年12月27日 19時
