百四十八話 ページ12
「アイツらのベストの下に隠されてるのは、分厚い財布じゃなく、防魔プレートだ。」
『防魔プレート?』
「防魔プレートってのは、魔法執行官の制服で使われる、魔法を弾く素材ッスよ。」
『なるほど。ってことは、どのみち戦っても勝ち目はないってことか。』
「……って、そんなこと言ってる場合じゃないッスよ!この状況、どうみてもやばいでしょ!」
「………連中のスーツに刻まれたマークを、王宮で何度か見たことがある。
奴ら、おそらく“渡し守”だ。」
『わたしもり?』
「なんスか、それ?」
「…………いいから。大人しくしてろ。」
「ナイトレイブンカレッジ認定装備の魔法道具と正式に確認。
被検体B、無抵抗の意思を確認。……ご同行願おう。」
「いいだろう。
ただ、護送は丁寧に頼むぜ?手荒い運転だと酔っちまう」
『この期に及んでまだそんなこと言うか。…………レオナ先輩、絶対助けに行きますから』
「ハッ、そいつは助かる。むこうの生活は退屈しそうなんでね。」
「ちょ、ちょっ、レオナさんっ!?」
「ラギー、俺が戻るまでサバナクローはお前に預ける。うまくやれ。」
そして、レオナ先輩は誘拐犯(仮)に捕まり、どこか行ってしまった。
これは嫌な予感がするぞ。
オンボロ寮
全速力でオンボロ寮の談話室に戻ると、壁も、机も、カーテンもぐっちゃぐちゃ。
「ヴィルーーー!!!ジャミルーーーー!!!」
さっきの誘拐犯(仮)に似た奴らが、シェーンハイト先輩とジャミル先輩を捕縛し、空高く飛んで行くところだった。それに、誘拐犯(仮)が持っているケージの中、グリムじゃん!?
『っ……シェーンハイト先輩!!ジャミル先輩!!グリム!!絶対、絶対助けに行くから!!』
突然叫んだ私に周りは驚いた様子。
「………そうだね。ああ、麗しのヴィル、私が必ず助けに行くよ……!」
『とりあえず状況は把握した。ハント先輩、カリム先輩。私は負傷した人を医務室に運びます。』
「…………わかった。俺は、他の寮長たちと先生を集める。」
『よろしくお願いします。……やっぱり、防魔プレートすごいな……』
他に攫われた人は、いないことを祈る。(フラグ)
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サリー - 地獄の番人さん» コメントありがとうございます!これからも頑張っていくつもりです! (2022年12月29日 10時) (レス) @page4 id: bff6de7ecd (このIDを非表示/違反報告)
地獄の番人 - 続編おめでとうございます!これからもよろしくお願いします! (2022年12月27日 21時) (レス) @page3 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サリー | 作成日時:2022年12月27日 19時