短編9 バレンタイン ページ31
Aside
A「･･･」
女「ねーえ！Aちゃん！」
A「きゃあ！」
女「そのチョコレートは誰に渡すのー？」ニヤニヤ
A「い、いや･･･えっと･･･」
女「野坂くんでしょ？」
A「･･･う、うん」
女「野坂くん人気だからね〜さっきも別な女の子が野坂くんに渡しているところ見たよ？」
A「･･･うぅ･･･だから私、渡せないでいるのよ･･･もうお昼だよ」
女「んー、野坂くんも人気だけど西蔭くんも意外と人気だからなぁ、あの二人に近づくなんてかなり厳しいよ」
A「･･･うん･･･そうなんだけどねー･･･」
女「手紙とかどう？」
A「え？！無理だよ！絶対！手紙だってすごい量貰ってるよきっと」
女「じゃあもう直接渡すしかないと思うんだよねー･･･」
A「･･･そうだよね･･･」
野坂くんはサッカー部のキャプテンで、成績優秀、オマケに顔までいいって人気が出ないわけない。もちろん私も野坂くんのことが気になってる身なわけで･･･
A「･･･私、頑張ってみる･･･」
女「その意気だよ！Aちゃん！」
ーーーーーーー
って思ったけど、野坂くんと私喋ったことない
こいつ誰？って感じになると思う。いや、なる。
すると野坂くんと西蔭くんが廊下の奥から歩いてくる
A「！」(ど、どうしよう！今渡す？！いや、こんな廊下で･･･でも、次またチャンスが来るか･･･！)
そうこう考えてるうちに野坂くんたちはスタスタ行ってしまった
A「･･･うぅ･･････」
やっぱり私には･･･
ーーーーーーー
2月14日の放課後、やっぱり野坂くんは人気だ。最後のチャンスだと野坂くんに話しかけに行く女の子も多い
私も渡そうと近くに行くものの、2人きりになれそうにない
野坂「ありがとう、嬉しいよ」
野坂くんはみんなのチョコレートを貰う。私のもあんな調子で貰ってくれるとは思う。思うけど･･･
西蔭「野坂さん、行きましょう」
野坂「あぁ」
2人はサッカー部の練習があるのか、また遠くへ行ってしまった
また渡せなかった
A「･･･やっぱり私なんかが･･･」
いや
まだだ
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作者名：桃香 | 作成日時：2019年12月24日 20時
