短編8ー1 ページ30
Aside
最近野坂さんの機嫌が悪い。心当たりはある。私が練習が始まっているのにバスケ部の男の子たちに絡まれて参加しなかったからだ
野坂さんは何考えてるか正直わからない
私はサッカーボールを蹴るみんなをぼーっと見ていた
すると
「危ない！」
A「え？」
気づいた時にはボールが目の前に来ていた
A「っ！」
すると目の前には野坂さんの背中だった。私を守ってくれた･･･？
A「あ･･･ありがとうございます、ぼーっとしてて･･･」
野坂「危ないから、もう少し下がって」
かっこいいと思ってしまった私は単純だろうか
野坂さんは学校でも人気な男子だ。私の友達にもファンは多いけど、実際には誰もアタックしたりしない。つまり高嶺の花のような･･･存在
A「あ･･･野坂さん･･･」
野坂「なに」
A「･･･怒ってますか･･･？」
野坂「･･･怒ってないよ」
野坂さんはスタスタとフィールドに戻ってしまった。あの声のトーン、怒ってる気がする
野坂「それと」
野坂さんは振り向いて言った
野坂「今日、話あるからミーティング室に来て」
A「･･･は、はい･･･」
怖い。
怒られる
ーーーーーーー
練習が終わったあと、私は言われたとおり、ミーティング室に行った
すると野坂さんは背もたれの方を前に、座っていた
外の光が神々しく、本当に皇帝みたいな･･･って、私今から怒られるかもしれないのに
A「あの･･･野坂さん、お話とは･･･」
野坂「･･･この前の件だけど」
やっぱり
野坂「あの男たちとはまだあってるの？」
A「いえ･･･」
野坂「君はサッカー部のマネージャーだよ、他の部活のことなんか気にしなくていい」
A「･･･はい」
野坂「･･･なにかされてからじゃ遅いんだよ･･･」
A「･･･え？」
野坂「君はもう少し自覚した方がいい」
A「あの･･･何をですか？」
野坂「そういうところだ」
すると野坂さんは立ち上がって私の方へ来る
野坂「心配になるようなこと、今後しないでね」
A「え？･･････野坂さん、怒ってたんじゃなくて･･･心配してくれてた･･･？」
野坂「え？」
A「･･･？」
野坂さんは何か考えているようだが、フッと笑って言った
野坂「･･･そうかもね」
ーーーーーーー
お互い気持ちに気づくのはまだまだ先の話であった
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作者名：桃香 | 作成日時：2019年12月24日 20時
