十八 ページ18
土方君は何故か目をつぶってサラダを1口食べた。
...確かに、他にこんなかける人はあまり見ないのだけど。
「...A」
「美味しいよね?」
土方君は下を向いて口を抑えていた。
そして私のほうに手を伸ばした。
「ほ、ほらやっぱりトシ...不味いんじゃ」
「もっとかけさせろ」
次の日から、土方君は毎日ご飯にマヨネーズをかけたとさ。
*
「くりすますぱーてぃー...」
「おう!今度道場でやらねーか?」
甘味屋に遊びに来た私は莉花からクリスマスパーティーとやらをやろうかと誘われた。
彼が武州に居る最後の冬だから、と。
「うん、分かった。で、何をするの?」
「何をする...?んー。ケーキとか食べたりみんなで遊んだり。どんちゃん騒ぎしてればパーティーになるよ」
「成程...」
正直、祭りは何度も経験しているのだが家でやったりするパーティーなどは経験が無い。
「さて、じゃあ計画を立てようか」
「うん。ケーキを作るんだよね」
「ケーキは私に任せな!...そうそう、Aとしたいことがあるんだけど」
「したいこと?」
「雑誌で見たこすぷれって奴を...」
私は莉花が持ってきた雑誌を見た。
コスプレはどうやら人物の着ている服や髪型を真似し、人物の服を着たりする事らしい。
莉花はクリスマスだからサンタクロースやトナカイのコスプレをしようと言った。
「サンタさんって髭もじゃもじゃじゃん」
「バカ、付けるわけねーだろが。服だけだよ」
「トナカイは?」
「角つけたり...まぁ、いろいろあるじゃない」
莉花は難しそうな顔をして頭を掻きながら言った。
自分でもよくわかっていないのかな...?
その後も色々と話し、予定がある程度決まった。
道場に帰り近藤さんに伝えると喜んでOKしてくれた。
「...さて、明日買いに行かなきゃ」
私はサンタクロースの服を着ることになったのだが、莉花がもう既に注文していたらしく服屋に明日取りに行くことになったらしい。
「(気が早い事で...)」
子供みたいだなと思い笑っていると土方君が前を通りかかった。
「何笑ってんだ...?」
「そうそう、クリスマス、クリスマスパーティーをやるんだ。」
「お、おう...って、クリスマスパーティーだぁ?」
「うん、ケーキ食べたり、お肉食べたり...みんなで楽しむんだって」
「強制参加か」
「勿論」
土方君は溜息をつくと、頭を片手で抱える。
分かったよと呆れたような声でいった土方君は、私の横を通り過ぎた。
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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年4月8日 19時