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四十 ページ48

(このままでいいや...)


私は苦笑が零れるほど自分に呆れた。
男はまず私にキスをした。

気持ち悪い。

でも私にお似合いかもしれない。
男に遊ばれて捨てられる。
そんな事が私の頭によぎった。

男は私の体をがっちり掴んでいた。
それに男は少し湿ったような汗をかいていて、気持ち悪かった。


次はキスマークをつけられた。
首から胸まで何ヶ所にも付けられる。
終いには項まで跡を付けられた。


「さぁ、こっからが本番だよ」


1人はキスをし、1人は私の服の中へ手を滑り込ませた。



「っ...!!」


何故か今までの無心さが溶け、それから私は抵抗し続けた。


「ん...んん!」


いくら喋ろうとしても力の差は圧倒的に違う。
一生懸命逃れようと腕を振ったり顔を避けたりするものの男達はぴくりともせず、ただ私はされるがまま。自分の無力さに泣くことしか出来なかった。


「そんな暴れんなよ...?」



そう言って男が口を離した瞬間、その男は私の前から消えた。
横を見ると、そこにはさっきまで私の前にいた男の頬が腫れ上がり倒れている。
呆然としていると聞き覚えのある声が聞こえた。




「おい...誰に手ェ出してやがる」



聞き覚えのある声、と言ってもいつもと違う、ドスの効いた声。
腹の底から出すような声だった。



「テメェ...よくも!!」


男が殴りかかろうとすると彼は攻撃を避け、後ろに回り込み首を絞める。



「はっ、はなせ...!」


「...女に二度と手ェ出すなよ」


そう言うものの、彼はまだ手を離さなかった。


「離して欲しいのか?あぁ?」


「離せ、離せっ...」


「それが人にものを頼む時の言い方か?言い直せ」


「離して...下さ、」


必死に許しを請おうとするものの、男は気絶した。
男の顔は酷く腫れ上がったように赤くなっていた。

私はその男の姿をただ見つめた。
だが、やはりお互い無言のままという訳には行かない。



「土方君...」


話しかけても返事は帰ってこなかった。
でもきっと心の中では聴いている。
そう思い話を続けた。


「ごめんなさい。また、迷惑かけちゃった...」



土方君はまだ無言だった。
私の方も向かず、ただ倒れている男を見つめたまま。


「土方君?」


ジャリ、地面の砂はと音を出して土方君はこちらへ向いた。


「こいつらも長い事眠らねェ。早く行くぞ」



彼の顔はとても哀しそうだった。
いつもは優しくて頼もしい彼でも、こんな顔を見るのは初めてだった。

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真撰組   
作品ジャンル:アニメ
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唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» ありがとうございます! (2018年2月25日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 唐辛子の民さん» まさかそこまで言って頂けるとは…。とても嬉しいです!ありがとうございます。これからも見に来ますね。陰ながら応援してます! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 8d78b160ba (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» まっ、まさかっ!?あの愛音様!?いつも見させていただいてます!こんな方に見ていただけるなんて何たる光栄!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - まかろんさん» いやもう私もなんでこんなに伸びてるのかわかりませんよ。w多分私は神でも天才でも無いです。なんかこんなに褒めていただくと照れますね。w楽しんでいただき何よりです!更新がんばります!よろしくお願いします! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 後れ馳せながら読ませていただきました。あなた様は天才ですか、神ですか、どっちですか。あ、秀才なんですかね。なんでこんな面白い小説書けるんですか、その文才分けてください。神は1人に二物も与えるんですね。楽しみにしてるので更新頑張って下さい! (2018年2月25日 15時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年2月24日 5時

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