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二十八 ページ33

「はぁ、疲れた...」


夏の蒸し暑い時期の今。

道場に帰り、部屋に戻るとまずは洗濯。



「...もう」


なんだかイライラするのは女の子の日だから。
いつもは道場のみんなの為に働けるのはしんどいけど喜ばしい事で、とても楽しんでやらして頂いている。


稽古場所の部屋からは近藤さんのお父様の厳しい声が聞こえる。
きっと皆、汗だくで竹刀を振っているんだろう。

土方君も...。

少し開いた扉から除くと、一番奥に彼の姿があった。
ほかの皆よりかは汗をかいておらず、まだ疲れも見えなかった。
それでも一生懸命やっているのは分かった。

彼のお陰で少し気が楽になり、物干し竿に向かった。



「ふー...終わり終わり。
...待て、今は?」


時計が指すのは8時。
いつも食事を用意していたのは7時半。


急いで食堂に向かうと皆机に野垂れ死んでいるかのように倒れていた。



「飯...だれ、か...飯を!!!」


「金ならあるぞ...!」




「待ってぇええええええみんなぁぁぁぁぁ!!」



「っていうドッキリなんです。Aさん」



「総悟それは言っちゃいけねぇやつだ」




急いでご飯を作るとみんなバクバク食べ始めた。
たったの三十分遅れただけなのに。
本当に子供みたい...。


その光景に笑みが零れる。
すると土方君がお盆を持ってこちらへ来た。


「早いね、お腹空いてた?」


「別に...」


「ふふっ、嘘つき。空いてたんでしょ?」


「空いてねぇ!」

彼はムスッとしそっぽを向いた。


「あははっ、ほんと面白い...。あ、お風呂入っちゃうね」


「あぁ...って、お前は食べねぇのか?」


「お腹の調子が悪くってさ、食べれなくて」


「食わねぇと体壊すだろ」


「いいのいいの、お昼からお団子食べてきたし」


「いいから味噌汁だけでも飲んどけ」


「いいってば...」


「よくねぇだろ、1日三食だ。お前朝も忙しくて食ってなかっただろーが」


「もう!一々うるさい!お節介なのよ!」


「っ...。そうかよ、すまねぇな。」



私は感情に任せて発してしまった言葉を後悔した。
彼はあっという間に去ってしまう。

周りからの視線が刺さり、更に心が痛む。


「お騒がせしました」


なるべく平常心を保っているように見せ、心配そうな顔をした近藤さんや終君達を安心させた。

彼が味噌汁だけでもと用意した茶碗に味噌汁を注ぎ、飲んだ。



「ごめん...」


そう言っても彼に直接言わなければ、伝わるはずも無い。

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真撰組   
作品ジャンル:アニメ
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唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» ありがとうございます! (2018年2月25日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 唐辛子の民さん» まさかそこまで言って頂けるとは…。とても嬉しいです!ありがとうございます。これからも見に来ますね。陰ながら応援してます! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 8d78b160ba (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» まっ、まさかっ!?あの愛音様!?いつも見させていただいてます!こんな方に見ていただけるなんて何たる光栄!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - まかろんさん» いやもう私もなんでこんなに伸びてるのかわかりませんよ。w多分私は神でも天才でも無いです。なんかこんなに褒めていただくと照れますね。w楽しんでいただき何よりです!更新がんばります!よろしくお願いします! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 後れ馳せながら読ませていただきました。あなた様は天才ですか、神ですか、どっちですか。あ、秀才なんですかね。なんでこんな面白い小説書けるんですか、その文才分けてください。神は1人に二物も与えるんですね。楽しみにしてるので更新頑張って下さい! (2018年2月25日 15時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年2月24日 5時

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