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十九 ページ24

目を開けると、湿気が多い部屋にいた。
手も足も縛られ、身体も動きにくかった。


「起きたかい、嬢ちゃん」


そう私に問いかけるのは、柄の悪い男。
ニヤニヤしながら私の方を見つめる。

私はこの状況を理解した。
でも、その瞬間恐怖しか生まれなかった。

人は恐怖や不安を感じている時、考えすぎてしまうもの。私は助けが来ないような気がした。



「おい喋ろうぜ?」



声が出なかった。
喋りたいのに、どうしても出なかった。


男は少し考えると、ポケットから何かを出し
思いついたように言った。



「この男、知ってるな」



そこに映されていたのは、兄さん。
恐らく道場で撮った写真。
どこから盗んできたのか?




「もう、何が言いたいかわかったよな?」




兄さんの写真を見せられても、何も分からない。
当てはまるとしても...



「おい、早く答えろよ」



男の声が低くなり、また恐怖が襲う。
私の目からは涙が流れた。




「あーあー、何泣かせてんですか(かしら)〜。」



「ったくめんどくせぇ〜!オンナ扱いは苦手なんだよ」



「しょうがねえな、俺がやってやりますよ」




「あー頼むよ」



私は恐怖で泣いているというのに、この人達は楽しそうに会話していた。
何かを考えれば考えるほど、怖くなる。


私は今どこにいるのか?
助けは来るのか?





...宮城さんは?




「ちょっと...いい、ですか?」



「おっ、喋った。なんだよ」



「宮城さんは...?」





私が尋ねると、彼らは大爆笑した。
何がそんなに面白いのかもわからない。



「何笑って...!」



「宮城はウチのヤツ!」


そう言ってまた大爆笑した。
うちのヤツ...?


ますますわけがわからなくなった。



「うちのヤツ?」



「だーかーらー!まだ気づいてねえの?うちで働いてるヤツだよ!それも下っぺのな!」





「じゃあ、宮城さんは...」





「まぁ、裏切り者だよねー」




なんで、なんで?
いやだ。宮城さんは毎日ご飯も...

夜に出かけていたのは、そのせい?

私は、なぜかれいせいになった。



「もう、いい。私に何をして欲しいの?なぜ捕まえたの?」




「なぜ捕まえたか。風雅が裏切ったからだ。あいつはお前をここに連れてこねえと行けなかったのに、裏切ってお前を潜入捜査していた道場に預けたからだ。」



「お前はここらの田舎じゃそういない美人と聞いていたからな。だから捕まえてこき使おうとしたんだよ」



「何をして欲しいか、だが」

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真撰組   
作品ジャンル:アニメ
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唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» ありがとうございます! (2018年2月25日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 唐辛子の民さん» まさかそこまで言って頂けるとは…。とても嬉しいです!ありがとうございます。これからも見に来ますね。陰ながら応援してます! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 8d78b160ba (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» まっ、まさかっ!?あの愛音様!?いつも見させていただいてます!こんな方に見ていただけるなんて何たる光栄!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - まかろんさん» いやもう私もなんでこんなに伸びてるのかわかりませんよ。w多分私は神でも天才でも無いです。なんかこんなに褒めていただくと照れますね。w楽しんでいただき何よりです!更新がんばります!よろしくお願いします! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 後れ馳せながら読ませていただきました。あなた様は天才ですか、神ですか、どっちですか。あ、秀才なんですかね。なんでこんな面白い小説書けるんですか、その文才分けてください。神は1人に二物も与えるんですね。楽しみにしてるので更新頑張って下さい! (2018年2月25日 15時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年2月24日 5時

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