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「そりゃ、そうだよ…」


「へ…?」


私は結さんの発言に少し固まる。


「副長の気持ちも、分からなくはない。
でもその様子だときっと、副長にキツい言い方されたんだろ?」

「まぁ…そうです。」

「…僕ならもっと優しく言えるのに」

「え?」

「僕なら、もっと優しくできる」

「…違うんだ、土方さんは優しいんだよ。
私が悪かったんだ」

「君は悪くないだろ?自分の将来の夢を言って何が悪いんだ」

「…でも」

「でもじゃないよ、Aちゃん」




結さんの顔は隣から迫ってくるばかりで、それも抵抗出来なかった。
さっきまでのオドオドした彼はどこにも居なくて、ただ男らしい結さんだけだった。

いつの間にか押し倒されていて、もう抵抗する手はどこにもなかった。



「結さん、ダメですっ…」

「何が…?副長ともこんな事、どうせやってるんだろ?」

「やってない…です…」

「それでもハグしたりしてるはずだよね?」

「…こんなの結さんじゃないよ、離してっ」



必死に抵抗して結さんを再度みたら、その目には色がないように見えた。





「おい、結」



「…副長」



「何やってんだ?」




ガラガラと音がしたと思えば、そのあと聞こえる声は心の奥で待っていた声だった。
結さんは私から離れようとしない。
まだ椅子の上で押し倒したままだ。



「副長、貴方は不器用過ぎる」

「…随分生意気だな、新入りの癖して」

「新入りだろうと関係無い、Aちゃんを傷付けたのには変わりないでしょう」

「…全部聞いたのか?」

「勿論、聞きました」

「ったく、A」


「っ、はいっ…」

「何余計な事話してんだ」

「ご、ごめんなさい…」


「結、すまねぇが2人にさせてもらえるか」

「…お好きに」


結さんは私から退いて、食堂を出た。





「A」

「はいっ…」

「なんであいつに話した?」

「…ごめんなさい」

「謝罪なんて要らねぇ、なんで話したか聞いてんだよ」

「…ごめ、なさ…」


目の前がぼやけて涙が溢れた。
眉間に皺を寄せた土方さんが怖くて、胸が苦しかった。
声を押し殺して涙を流した私に土方さんは溜息をつく。


「すまねぇ、泣かせるつもりは」
「ごめんなさい…私が、悪いんですっ…」


「ちげぇ、話を聞け」

「うっ…」

「…さっきの事はすまねぇ。」


「おい、俺を見ろ」


そう言って下を向いて泣いていた私の顔を優しく上げた。

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唐辛子の民(プロフ) - な、な、なんと...全て読んでくださるなど天使ですか、神ですか?あ、仏ですか。了解しました。応援ありがとございますゥゥゥゥ!!頑張りやすゥゥゥゥ!!! (2018年8月21日 3時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
こくろん(プロフ) - 初めて唐辛子の民さんの作品を読みました!もう面白くって作品全て読んじゃいましたw応援してます!頑張ってください! (2018年8月20日 17時) (レス) id: 0640f47a0f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - カラ松ガールさん» 愛してます。ありがとうございます。嫉妬系大好きでございます。リクエストありがとうございます!では、早速作成してきます! (2018年8月16日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール - 過激ですかね。。。すいません。 (2018年8月16日 23時) (レス) id: 146ccfef01 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール - 土方さんが夢主の部屋に入った時、夢主が床どんされてる状況を見て嫉妬してしまう土方さんがみたいです! (2018年8月16日 23時) (レス) id: 146ccfef01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年8月12日 23時

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