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「うりゃぁぁぁぁぁ!!!!」

道場で稽古しようとしてたのに、これじゃ入り辛い。

「(全然ダメじゃん…)」

心の奥底で欠点を呟くが、人っていうのは不思議なものである。


「まだまだ!!!!」


「(お)」

ヘトヘトになったおかげか無駄な力が抜けて全身を使って捌けている。
でも現実は甘くない。
土方さんは容赦なく軽く交わし、竹刀で鈍い音を立てる。



「そんなんじゃすぐに浪士に切り殺されるぞ
晩飯までに素振り3000回やっとけ」

「(相変わらずお厳しい…)」

「…ふ、副長…!自分、強くなるっス!」


その言葉を聞いてつい笑いが零れた。
勿論、バレない程度に。

「(私と同じ事言ってやんの…)」

土方さんが見放せないのも、なんだか分かった気がした。

「き、きっと…兄貴より…副長より強くなってみせるっス!」

私は壁に立てた竹刀をもう一度手に取る。


「もう、二度と立ち止まらないように…
早くみんなと歩けるように!」
「だから…副長も強くなって下さい!」


「お〜、言うねぇ…」

思わず声が出たが、小声なせいか聞こえていない様だった。


「副長の兄上は…副長の事を恨んでなんか居ませんよ…!」



私が言いたいことサラッと言っちゃうんだから、困ったもんだった。
土方さんがテツに取られちゃうかもなんて本気で考えそう。

「自分は…副長が羨ましいです」


私と、似てんのかな。なんて頭の中で考える。
妾の子、私だってあながち間違いではない。

なんで生まれたのか、理由なんてない子だったのだから。



「ったくどこのどいつだアホに余計な事吹き込んだやつは…いいか、次俺の前でその話して見ろ」
「全身の穴からマヨネーズぶち込むぞ」



そう言って土方さんは道場から出てきた。


「盗み聞きたァ、そんな趣味あったのか」

「別に…?ただ、私も気分が参っちゃって」


私は土方さんの首元に竹刀を伸ばした。


「…お前もかよ」

「ここまでやる気させたんだから1回くらいお相手お願いします」

「…1回だけだからな」


倒れたテツを壁際に移動させて、稽古を始めた。



「気合がねェな」

「別に…無いわけじゃっ、ないですよ?」

「へェ、俺に勝てると思って来たのか?」

「…いや、勝てないと思ったから来ました」

「…そりゃどういう了見だ?」

「私からも言いたいことがありまして」



1度間合いを取って、別れる。



「私もテツと同意見です」

「…」

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唐辛子の民(プロフ) - な、な、なんと...全て読んでくださるなど天使ですか、神ですか?あ、仏ですか。了解しました。応援ありがとございますゥゥゥゥ!!頑張りやすゥゥゥゥ!!! (2018年8月21日 3時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
こくろん(プロフ) - 初めて唐辛子の民さんの作品を読みました!もう面白くって作品全て読んじゃいましたw応援してます!頑張ってください! (2018年8月20日 17時) (レス) id: 0640f47a0f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - カラ松ガールさん» 愛してます。ありがとうございます。嫉妬系大好きでございます。リクエストありがとうございます!では、早速作成してきます! (2018年8月16日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール - 過激ですかね。。。すいません。 (2018年8月16日 23時) (レス) id: 146ccfef01 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール - 土方さんが夢主の部屋に入った時、夢主が床どんされてる状況を見て嫉妬してしまう土方さんがみたいです! (2018年8月16日 23時) (レス) id: 146ccfef01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年8月12日 23時

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