13 土方side ページ13
「チェケラッチョ」
「何がチェケラッチョだ、お前まで洗脳されたか」
「テツ来たじゃないですか。チェケラッチョ」
「あいつが来たら何でチェケラッチョなんだよ」
朝から騒がしいと思えば、俺の小姓になったテツがあれだこれだと喧しい。
小姓なんて言ってしまえばAがいれば殆ど十分であって、アイツがいる必要なんてほぼないのだ。
___たしかに、欲しいと言ったのは俺なのだが。
「私アイツの面倒なんて見ませんからね、死んでも見ませんからね」
「あぁわーってるよ…クソ、欲しいとか言うんじゃなかったぜ」
ドタドタと大きい足音を響かせては俺の部屋の前を通ったり、また戻ったりする。
ついでに着いてきた黒人の2人に関しては疑問しかない。
「タッテンジャネェノ?ってやつでしょう?」
「…声出てたか?」
「ダダ漏れ」
「YO!チェケラッチョ!タッテンジャネェノYO!」
どうやらハマったのかそれを口ずさみながら部屋を出ていくA。
やっと静かになった部屋に、今しかないと筆を進めれると思えば。
「やんのかテメェオラァ!!」
間違いない、Aの声だ。
そして音的には竹刀を持っている。
大きくため息をつくと、ラップバトルをしているテツと、竹刀で横の黒人2人を脅すA。
それに対して黒人2人は「お前タッテンジャネェノ?」と2人で喧嘩している。
何も噛み合ってない。
そうだ、噛み合ってないんだ。
「うるせぇよ」
俺はAの首元を掴み、後ろから軽く膝を蹴ってこかすとAを部屋に戻した。
「相変わらず乱暴ですね。乱暴…ランボーだ。」
「誰がランボーだ面白くねェし分からねぇから辞めろ」
「んで、見廻りちゃんと行くんですか?」
「…行くよ、お前も来るか?」
「お断りしたい所だけど、黒人とケリつけるから行く。」
「黒人目当てかよ…」
今ならため息を無限に出せそうだった。
イライラと呆れ、両方だ。
俺だって好きで社畜を極めてるわけでも、好きでテツを小姓にした訳でも無い。
全て成り行きであり、誰かのせいだ。
別に、俺が悪くないと言い張る訳では無いのだが。
*
「ねェなんで私黒人に挟まれてんすか」
「知るかよお前が真ん中乗ったんだろ」
黒人2人の間に乗ったAと、運転するテツの横に座る俺。
____地獄絵図だ。
間違い無い、地獄絵図だ。
モノホンの地獄絵図だ。
「暑苦しい、タッテンジャネェノ病に掛かるから助けて下さい」
87人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唐辛子の民(プロフ) - な、な、なんと...全て読んでくださるなど天使ですか、神ですか?あ、仏ですか。了解しました。応援ありがとございますゥゥゥゥ!!頑張りやすゥゥゥゥ!!! (2018年8月21日 3時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
こくろん(プロフ) - 初めて唐辛子の民さんの作品を読みました!もう面白くって作品全て読んじゃいましたw応援してます!頑張ってください! (2018年8月20日 17時) (レス) id: 0640f47a0f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - カラ松ガールさん» 愛してます。ありがとうございます。嫉妬系大好きでございます。リクエストありがとうございます!では、早速作成してきます! (2018年8月16日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール - 過激ですかね。。。すいません。 (2018年8月16日 23時) (レス) id: 146ccfef01 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール - 土方さんが夢主の部屋に入った時、夢主が床どんされてる状況を見て嫉妬してしまう土方さんがみたいです! (2018年8月16日 23時) (レス) id: 146ccfef01 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年8月12日 23時