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208話 ページ12

Aside

全くさぁ……
本当、子供は一度卑屈を始めるとずーっとそうなんだから

だから馬鹿だって言ってるんだよ





『…まず、誤解から解こうか。私は君が思うほど恵まれてないよ』

レオナ【…は?】





黒い獅子から注意を逸らさないようにしながら沈まないようあちこちに跳ねつつ

獅子の子に言葉を向ける

すると、獅子の子は心底分からないという表情で初めて顔を上げた



そのせいか、黒い獅子は再び襲い掛かってきたので、軽く挑発するようにその上を跳んで躱す





『能力という点においては、あぁそうだよ。嫌と言うほど恵まれすぎてるさ。けど、生まれだけは最悪だよ。なぁんだろうね、この子供に玩具だけ沢山与えとけばいいだろみたいなの
 今の私は、足掻いて足掻いて…その結果だよ』





私だって、何で、と思うこともあったさ

私には、嘆く暇すら与えられなかったけど





『私からすれば、君の方が恵まれてる』

レオナ【…俺が恵まれてる…だと?】

『だって気に掛けてくれる人がいたし、思考するだけの余裕はあったろう?何より、“選択肢”があった』





君は選べた
ちゃんと、選ぶ事ができた

自分の道を、選ぶ余裕があった





『私には選択肢なんて贅沢なものは無かった

だからただがむしゃらに足掻いて、もがいて、“自分だけの道”を自分の手で“創った”』

レオナ【…なら、テメェは良いじゃねぇか。そんだけ強くて、真っ直ぐいられるんだろ

俺なんか放っといて…とっとと戻れよ】

『だから馬鹿だって言ってんだよ?君も一瞬じゃないと意味ないだろう』





獅子の子に近付こうとする度に

砂嵐が強くなり、獅子の猛攻が激しくなる


まぁ、私からすれば可愛いものだが





『なぁ、本当は気付いてるんだろ?』

レオナ【うるせぇ】





それに気付けないほど、君は愚鈍じゃない





『自分が渇望するものが、直ぐそこにあるって事に』

レオナ【…言うな】

『閉ざされた暗闇でも、差す光があることに』

レオナ【黙れ】

『渇いた心を潤す泉に、差し伸べられている手に』

レオナ【黙れつってんだろ!!!】

『いつまでも逃げ道与えられると思うな甘ったれ』





大きな獅子の子の叫び声と共に、砂嵐が強くなり
本当に何も見えなくなった

私は対照的に、静かな声で話す


でなきゃ届かない





『逃げてるだけだ。人生の意義は一つじゃないのに、お前はそこで逃げて思考を止めた

欲しいと思ってんならちゃんと欲しいと口にしろ、臆病者』

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どん - 続きが気になる (2021年4月13日 20時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 最新待ってます! お願いします!【土下座】 (2021年4月12日 12時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 続きありがとうございます! 最新がんばってください! お願いします!【土下座】 (2021年4月8日 7時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 続きが楽しみです! 最新してくださるのを待ってます! 最新お願いします!【土下座】 (2021年4月2日 10時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - こっちの小説も好きなのでうれしいです! 最新がんばってください! 応援してます! (2021年3月21日 9時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零月 | 作者ホームページ:http   
作成日時:2020年11月29日 17時

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