そして私は気がついた【レペゼン地球】

決断 ページ30

ひとりで仕事を黙々とこなしていると社長が入ってきた。


『どしたと？』


社｢ん？いや、最近A悩んでないんかな〜って思って。あのふたりとはどうなん？｣


『…あぁ、ん〜…』


言葉を濁す。二人に抱かれて、何も思わなかった訳じゃない。


今まで謎だった｢好き｣が、さらに分からなくなってしまった。


『社長は、好きってなんやと思う？』


気がついたらそんな質問が口から出ていた。一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに考えてくれる社長。


社｢この人となら毎日一緒でも飽きなくて、毎日が幸せだ！って思える人、かなぁ｣


『…幸せ、か』


この年齢になれば中学、高校の同級生で結婚するという人もちょくちょくいる。なんならもう子供もいる人もいる。


『幸せ…なんよね、今の生活が』


ファンの人たちがいて、自分らはやりたいことが出来て、こんな恵まれた環境があるだろうか。


『これ以上の幸せは今は…いいかなって』


社｢Aはそう思っとっても、脇とふぉいはAを好きなんやろ？適当に接してたらふたりに失礼やよ。ちゃんと真正面から向き合わないと｣


その言葉にハッとさせられた。今まで｢好きかどうか｣を聞かれたらずっと言葉を濁してふたりと向き合おうとしなかった。


『…そうやね、』


社｢選ばないより、どちらかを選んだ方がいいと思うよ｣


『じゃ…あ、じゃあ、、選ぶね』


社｢がんばれ。俺はいつまでもAを応援しとるよ｣


その言葉に背中を押されて私は部屋を出た。

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