兄弟の絆。 (ページ18)

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side裕太

裕「あ、もう俺ここいるんで、メンさん帰ったほうが…夜ご飯の時間やし、」

メ「んーん、大丈夫だよ」

裕「でもっ、」

メ「ん、そうだね。涼太と裕太、2人の時間も必要だね。とりあえず亜嵐と俺は帰るから、なんかあったら連絡して？」

裕「ん、ありがとう、ございます…」

別に、メンさんと亜嵐くんが邪魔だったとか帰ってほしかったとか、そんなんじゃない。

でも、なんとなく。

慣れなくて。

いつだって、病院でも2人が当たり前だったから、どうしてもソワソワしてしまって。

それに気付いたメンさんは、嫌な顔ひとつせず、亜嵐くんを連れて帰って行った。

コンコンッ、

裕「はーい……あ、龍友くん」

龍「よっ！ええ人っぽいやん、あの2人。涼太が運ばれてきた時も、めっちゃ心配そうやったし…まぁ、施設ではほんまの姿、どんなんかは知らんけど？」

ノックして病室に入ってくるなり喋り倒すのは、龍友くん。

龍友くんなんて呼び方はしているけど、立派なお医者さん。

めっちゃ若いけど、涼太の主治医。

龍「涼太、まだ起きとらんよな？」

裕「うん」

見た目は若干いかついし、なんかぶっきらぼうな言い方するし、たまに口悪いし。

でも凄いちゃんと見てくれてて、涼太のこともしっかり診てくれる。

涼太が生まれたのがこの病院で、ずっと涼太のことを診てくれてるのが龍友くん。

と言っても涼太が生まれた時は研修医。

そっから涼太の障害と病気が発覚して、龍友くんが初めて持つ担当患者として、涼太がなった。

昔から知ってて、お兄ちゃんみたいな存在。

やから "くん" 呼びやし、タメ口やし。

龍「で？どうなん？あの施設は」

それでもって、俺らの過去を知り、受け止め、気に掛けてくれる。

俺らが親に捨てられた時も、担当から外されそうになった龍友くんは必死にお偉いさんに頼み込んで、涼太の担当医を続けてくれた。

施設に拾われた俺らを凄い心配してくれてるのも知ってた。

裕「ん、ええとこやよ。メンさんが施設長。亜嵐くんは俺の1個下の施設の子」

龍「ん、メンディーさんは挨拶してくれはった、丁寧に。その、亜嵐くん？て子も礼儀正しかったし、涼太のこと可愛がってくれてるんやなって凄い感じた」

裕「そやろ」

龍「涼太、もうすぐ目ぇ覚めると思うで。でもとりあえずは検査入院な」

それだけ言うとら龍友くんも病室を出て仕事に戻って行った。