兄弟の絆。 (ページ15)

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#15 / 公園ページ15

side 裕太

亜「裕太くん、涼太！公園行かない？」

亜嵐くんに誘われて公園に行ったけど、実際に涼太が遊べたのは約15分。

別に誰かに場所を取られたわけではない。

ただ涼太の体力が限界だっただけ。

裕「やって、涼太。亜嵐くんと公園行くか？」

涼「ん？…ん」

裕「おし、じゃあ行こか！」

涼太に上着を着せて、もしも用の薬を持って3人で公園に向かった。

亜「よし、俺が抱っこしてあげる！」

裕「よかったなあ」

公園まで涼太は亜嵐くんの腕の中。

これは公園につく前に涼太の体力を温存するため。

亜「涼太、何やりたい？」

涼「ん、？」

涼太に何やりたいか聞いたところで、涼太ができる遊びは限られている。

でも亜嵐くんのそういうところが、凄い好きなんや。

亜「裕太くん、早く！」

涼「ん、ゆた、くっ！」

裕「ごめんごめん」

ボーっとしていたらしく、2人が砂場から手招きしていた。

裕「何作んの？」

涼「ん……ぉ、うち、」

裕「そっか」

亜「こんな感じかなー？」

涼「ん！あらっく、そ！」

亜「んふ、良かった」

亜嵐くんはテキパキと涼太の作りたい家を砂で作っていく。

裕「こんな感じか？」

涼「んーん、ちゃう、」

一方で俺が作ると違うと言って、手で×を作ってプイっとすぐに違う方を向いてしまう。

裕「…なんか入れ替わってないか？涼太の兄ちゃんは俺やぞ、？」

まるで亜嵐と涼太が兄弟のように、亜嵐はひょいひょいと涼太の思い通りのものを作り上げる。

亜「裕太くん拗ねないでよ(笑)」

裕「だって、なんで…」

亜「前に砂場で遊んだ時、同じように家作ってたの。こうやって、前も同じような形と大きさで」

それを聞いて、もっと涼太と公園で遊ぶ時間を作ろうと決めた。

涼「ゆたくっ、」

グイっと服を引っ張る涼太。

裕「どしたん？」

涼「これ、」

涼太指さすところには、いびつな文字らしきもの。

裕「これ…」

はっきりした文字じゃない。

何を書こうとしたのかも、定かじゃない。

でも、僕が見る限りこれは。

裕「ゆうたくん、りょうた、？」

涼「ん！」

そう口に出すと、満面の笑みで頷いてくる涼太。

裕「すごいな！」

思いっきり抱きしめて、それから抱き上げてくるくる回す。

涼「きゃはっ！」

声を出して笑う涼太。

亜「俺もわすれないで(笑)」

裕「ごめんごめん、今度亜嵐くんも書けるようになろか！」