兄弟の絆。 (ページ14)

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sideメンディー

大量の洗濯物を洗濯機に入れながら、さっきの亜嵐の言葉を思い出す。

言いたいことがわからないわけではない。

それでも今まで障害と無縁だと、先入観や想像が先走る。

だから。

ありのままの涼太を見てほしくて。

初めの情報量を減らした。

一緒に暮らすのに全く情報がないというのも不便だし、裕太たちがコソコソ言われ続けるのも良くないし、と思って少しだけ話したんだけど。

亜嵐の人柄の良さを改めて実感した。

多くの人は障害と聞くと、少しは態度が変わってしまう。

距離を置いたり、腫れ物に触るような態度になったり。

でも亜嵐は、何も変わらなかったから。

この施設にいる子どもの中では、俺が一番頼りにしている亜嵐。

今まで見てきた亜嵐はやっぱり間違いじゃなかったと思えた。

亜「メンディーくん、裕太くんたち誘って公園行ってきてもいい？」

メ「いいよ、行ってきな」

洗濯機のスイッチを押してリビングに戻ろうとすると、後ろから亜嵐がヒョコっと顔を出してそう言った。

休む間もなく次は大量の食器を洗っていると。

グイっと服を引っ張られる感覚がして、振り向く。

メ「どうしたの？隼」

施設にいる子どもの中で最年少の隼が、服を引っ張りながら俺を見上げていた。

隼「亜嵐くんはー？」

メ「公園行ったよー」

隼「え…僕も行きたかった、」

そう呟く隼に、そういえば隼が一番懐いているのは亜嵐だったと思い出す。

でも今、じゃあ亜嵐のいる公園に行こうかとは言えなくて。

隼は年齢的に涼太の一つ下。

そんな隼に障害は難しすぎると思ったから。

時間が経ってみんなと涼太たちが馴染めるようになってきたら、ゆっくり小さな隼と関わらせてみてもいいかなと思っていた。

亜「ただいま！」

そんな亜嵐の声が聞こえると、隼はさっきまで俺の足元でいじけていたとは思えない速さで、玄関にすっとんでいった。

亜「なにー？ご飯の後で遊ぼうね」

メ「おかえり」

亜「ただいま。帰る途中で涼太寝ちゃったから、裕太くんがご飯まで部屋にいるってさ」

メ「わかった。ありがとう」

手洗い場から、隼を抱いた亜嵐が戻ってきた。

メ「じゃ、みんなで食べといて。俺は裕太たちのところに行ってくるから」

それだけ伝えると、裕太たちの部屋へ向かった。