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#3 ページ3

side龍友

涼「…なっ、んでっ……いたっ、」

龍「ちょ、まだ起き上がるなって」



少しして麻酔も切れたのか、体を起こそうとした涼太。

痛いと顔を歪める涼太な肩に優しく触れ、まだ横になるよう促す。




龍「まだゆっくりしとけ」


なんとなく、事故のことを言えなくて。

また無理をしてしまいそうで。

頑張りすぎてしまいそうで。



逃げるようにそう言っては、涼太から目を逸らした。

見ていられなかったというのが現実。




頭に巻かれた包帯。

頬に貼られたガーゼ。

腕に刺さる点滴。




涼「龍友くん、?」

龍「っ…ほっといて、」


涼太に無理させたくない。

こんな時くらい、ゆっくり休んでほしい。

こんな時くらい、全部忘れて眠ってほしい。

なんてぐるぐる考えていると、思わずそう言ってしまった。




涼「あ…ごめん、」

裕「涼太くん謝ることないよ。涼太くん悪くないんやから」



涼太の小さな言葉、裕太くんの声にハッとする。

また、やってしもた。






玲「そうだよ、今のは龍友くんが…っ!」

隼「玲於っ!一旦落ち着こ?」

玲「だって涼太くん謝ることなんか!」

メ「うん、涼太が謝ることないよ。でも、龍友の気持ちもわからなくもない」



玲於の言葉に、イラッとしなかったわけではない。

でも、頭は冷静で間違いじゃないことはわかっている。

唇をギュッと噛み締め、みんなに背を向けた。




亜「玲於、ちょっと外の空気吸っておいで?ついでに売店で飲み物でも買ってきな」

裕「お金これな。隼も行ってき」


小銭の音。

たぶん隼と玲於に、裕太くんがお金を渡したんだろう。









ガラガラ…

裕「涼太くんお水飲む?」

涼「ん、ごめんっ…」

裕「謝らんといてー。やりたくてやってるんやから」


扉が閉まる音と同時に、そんな裕太くんの声。

少し軽い感じで、空気も軽くなった気がして。



裕「あれ、お水どこ?」

亜「龍友くんのとこかな?」

裕「あ、龍友くん取ってー」


周りを見ると、近くのテーブルの上にコップがあって、足元の冷蔵庫を開けるとお水が出てきた。



龍「はい」

裕「ありがとうー…って、入れてよ(笑)」

龍「あ、」

言われたようにコップの半分くらい、お水を入れる。



涼「ありがと…ごめんなさい、」

龍「んーん」

なんとなく気まずく感じて、また後ろを向いた。

そして、少し悩んで。


龍「ちょっと…またすぐ戻る」

そう言って病室を出て、さっきのお医者さんの元へ向かった。

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りさ - 完結おめでとうございます(*^-^*)作者さんのペースで書き続けて下さい(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page34 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 完結おめでとうございます(*^-^*)作者さんの書き続けて下さい(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page34 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
りさ - jdhchebbdnさん» いえいえ(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page33 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - りささん» ありがとうございます (2021年9月20日 22時) (レス) id: 23d7ad1fb8 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 作者さんが決めることなので無理には言いませんが続けて欲しいなと思ってます(*^-^*) (2021年9月20日 3時) (レス) id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:jdhchebbdn | 作成日時:2021年8月21日 18時

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