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side 陣
涼「え、この2人置いて帰るん」
龍「当たり前やん。2人とも今来てくれたとこやねんから」
涼「明日は?」
龍「明日も来るよ。んじゃ」
なんて足早に出て行った龍友さん。
僕と北ちゃんが仕事終わりに病室に寄ると、ちょうど涼太くんが昼寝から覚めたところで。
それから涼太くんと龍友さんで少し会話した後、龍友さんは取材らしく帰ってしまった。
陣「涼太くん…」
北「大丈夫ですか?」
涼太くんが事故に遭ってから初めて会った。
今まではメンバーや先輩のみ面会が許されていた。
久しぶりに会った涼太くんは、頭に包帯を巻いていた。
頬にもガーゼが貼られていて。
ステージの上でキラキラと見えていた涼太くんとは、変わり果てた姿。
弱々しくて、今にも消えそうなくらい儚くて、脆く見えた。
涼「大丈夫やで。陣くん、そんな見つめんとって」
陣「あぁ、すいません」
北「陣さん、怒られましたね」
陣「うるさいなぁ」
涼「陣くんお黙り」
陣「あ、はい」
なんてテンポの良いやりとりの後、ははっ、なんて聞き慣れた笑い声が響いた。
北「涼太さんだ…変わんない、涼太さん…」
そんな声を聞いて、呟く北ちゃんの声。
すると、視線の先にいた涼太くんの表情から笑顔が消えた。
窓の外を向いて、寂しそうな、切ない横顔しか見えなくなって。
涼「変わんない、か…前の俺がどんなだったかとか、2人とどんな話をしたかとか…覚えてない。ほんと、ごめん」
そう言い切った涼太くんは、俯いてしまうから。
北「いいんです、別に。今までの涼太さんと比べることはないんで。僕は、今の涼太さんといっぱい喋りたいです。聞いて欲しいこと、いっぱいあるんです」
陣「うん、僕も。涼太くんの想いも知りたいし…僕にできることなら何でも言って!」
北ちゃんも大人になったなぁ。
なんてしみじみ感じながら涼太くんにそう言うと。
涼「じゃあ陣くん、こっち座り。なんでそんな遠いとこにおるん」
涼太くんは少し離れていた僕を、自分のそばに呼んだ。
そして。
涼「それ取って。一緒に飲むで…陣くん開けて、北ちゃんフルーツ剥いてー」
ふわふわした声で甘える涼太くん。
たまには先輩らしくないこんな涼太くんもありだ。
そう思って、涼太くんの言うままに過ごした。
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リクエストありがとうございました!(あまり後輩に甘えられなかった…すみません!)
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りさ - 完結おめでとうございます(*^-^*)作者さんのペースで書き続けて下さい(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page34 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 完結おめでとうございます(*^-^*)作者さんの書き続けて下さい(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page34 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
りさ - jdhchebbdnさん» いえいえ(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page33 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - りささん» ありがとうございます (2021年9月20日 22時) (レス) id: 23d7ad1fb8 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 作者さんが決めることなので無理には言いませんが続けて欲しいなと思ってます(*^-^*) (2021年9月20日 3時) (レス) id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:jdhchebbdn | 作成日時:2021年8月21日 18時