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#13 / 甘えん坊 ページ13

side亜嵐

亜「涼太、おはよう」

涼「あ、亜嵐くん。おはよう」


最近は仕事で来れない日が続いていたから、涼太に会うのは久しぶりで。


少しでも早く涼太に会いたくて、朝から病室に来た。

僕を見るなり、ニコニコと笑ってくれる涼太。

それだけで嬉しくて。






亜「最近、来れなくてごめんね。どう?」

涼「大丈夫。体調も悪くないし」

亜「そっか。無理せず言えよ?」

涼「うん」




そう答える涼太の顔色は、悪くない。

TAKAHIROさんや臣さんのおかげだろうか。






涼「亜嵐くん、?」

亜「ん?何でもない。元気そうで良かった(笑)」



涼太に呼ばれ、自分がボーッとしていたことに気付く。

涼太は今もニコニコしている。

その裏に、言えない辛さがあるのだろうか。

俺なんかじゃ、安心させてあげられないのだろうか。


そう思っていると、どうしても顔が怖くなるらしく。



涼「亜嵐くん、ちょっと寝る?」

亜「んーん、大丈夫。ごめんね」

なんて、涼太に心配される始末。


涼「亜嵐くん、ここ」

亜「ここ?座るの?」

涼「うん、靴脱いでね」



今度は俺を呼びながら、自分のベッドの上を叩く涼太。

少し右に寄って、左側をトントンしながら俺を呼ぶ。



亜「狭くない?」

涼「ベッド広いから大丈夫」


涼太に言われた通り靴を脱ぐと、涼太の隣に入る。









亜「涼太」

涼「ん?」


涼太の隣で、その体温に触れていると。

言わないでおこうと思っていたものすら、口から零れてしまうもので。



亜「この前、TAKAHIROさんと臣さん来てくださったじゃん?その時さ、涼太…やっと泣けたんだね」

本音も、なんて付け足す。




涼太は、何も言わない。

ただ、ギュッと俺の手を握っていた。





亜「俺にも分けてよ、その想い。辛さも苦しみも、もちろん、嬉しさも。一緒に背負う覚悟なら、とっくにできてるよ?」


全部、受け止めるって決めたから。

全部、向き合うって決めたから。




涼「亜嵐くんには…重荷わけたくない、し…辛いとか、聞いて欲しい、なんて思わないんだよ、」

小さく呟いた。

その言葉に胸が痛んだ。

でも。



涼「ただ、亜嵐くんにさ…大丈夫だよって、笑顔で…おやすみって、トントンして…起きたらまた笑顔でおはようって…俺がしたいこと、全部、仕方ないなぁって…」

亜「ふはっ、いいよ。じゃあまず手、繋ご?」

あぁ、そうか。
涼太が俺に求めていたのは。


俺はただ、涼太の望みを叶えるだけだ。

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りさ - 完結おめでとうございます(*^-^*)作者さんのペースで書き続けて下さい(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page34 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 完結おめでとうございます(*^-^*)作者さんの書き続けて下さい(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page34 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
りさ - jdhchebbdnさん» いえいえ(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page33 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - りささん» ありがとうございます (2021年9月20日 22時) (レス) id: 23d7ad1fb8 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 作者さんが決めることなので無理には言いませんが続けて欲しいなと思ってます(*^-^*) (2021年9月20日 3時) (レス) id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:jdhchebbdn | 作成日時:2021年8月21日 18時

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