#21 ページ21
side隼
涼「隼、これ食べる？」
隼「ん？俺こっちあるから涼太くん食べなよ」
涼「んー、いや。隼にあげる」
しばらく黙々と食べていた涼太くんだけど、ふと俺のほうにお皿を寄せてくる。
隼「好き嫌いないでしょ？…さては涼太くん。もうお腹いっぱい？」
涼「ん、」
隼「そっかそっか、よく食べたね」
コクンと頷く涼太くんの頭を、わしゃわしゃと撫でた。
年下のくせにって怒るかなと思ったけど。
首をキュッと縮めて、大人しく撫でられる涼太くん。
本当に、弟みたい。
でも、弟なら素直に甘えられるのかな。
それなら、涼太くんが楽なら。
それでいい。
隼「じゃあもうこれ、片付けちゃっていい？」
涼「うん」
隼「よし、じゃあちょっと…」
とりあえずご飯を片付けてしまおうと、涼太くんのトレーを持って立ち上がろうとすると。
隼「涼太くん？」
ギュッと俺の服の裾を掴んで、俺を立たすまいと強く力を込めていた。
隼「なーに、どしたの」
俺が、お兄ちゃんになる。
優しく、小さな子に話しかけるように。
涼「…ぃかん、で…行ったら、あかん…」
隼「行っちゃダメ？」
涼「ん……ここ、一緒に、」
不安そうに、でも手はギュッと力が込められたままで。
隼「いいよ。行かない」
涼「ほんとに？じゃあ、ね？」
隼「んふふ、何ですか？(笑)」
俺が行かないと言ったことに安心したのだろうか。
少しだけ柔らかくなった涼太くんの頬に触れた。
涼「もっかい、寝よ？」
隼「それ涼太くんが寝たいだけでしょ(笑)」
涼太くんの頬に添えた俺の手を拒むことなく、そのままじっと俺を見つめたままで。
真剣な涼太くんに、少し笑ってしまう。
涼「はい、隼はここ、」
隼「はいはい(笑)」
涼太くんに促されるまま、涼太くんのベッドに入る。
布団の半分をかけてくれて、クルッと回って俺の方を向いてくれる。
隼「何してんの(笑)」
俺も涼太くんと向き合うような体制を取ると、涼太くんは布団に潜ってしまう。
そして俺のお腹に顔を埋めているのが見なくてもわかった。
隼「たまにはいいなぁ…」
そんな呟きを零しながら、いつか涼太くんが俺にしてくれたように。
何も言わずに、背中をトントンして、反対の手で涼太くんの頭を撫でた。
隼「暑くないの？」
そんな問いかけは、とっくに夢の中の涼太くんには届かなかった。
だから俺もそのままそっと目を閉じた。
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りさ - 新作楽しみにしてます(*^-^*) (2021年11月15日 3時) (
レス) @page50 id: 96e86ff224 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめか(プロフ) - 下書きの公開楽しみです😊✨ (2021年11月13日 18時) (レス) id: e790979a11 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄 - お父さんがめんさん、お兄ちゃんが亜嵐か、裕太かがいいです (2021年11月2日 12時) (レス) @page50 id: 9560844fb8 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 涼太くんがいいです(*^-^*)新作楽しみにしてます(*^-^*) (2021年10月31日 3時) (レス) @page50 id: e43e150c6b (このIDを非表示/違反報告)
さらん - あらんくんがいいです (2021年10月29日 11時) (レス) @page48 id: d9f6645eb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jdhchebbdn | 作成日時：2021年8月7日 21時
