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#36 ページ36

side裕太

裕「涼太くん、涼太くん、ちょっと起きよっか」


寝ている時に起こすのは申し訳ないと思いつつも、どうしてもこのまま見過ごすにはいかなかった。



裕「涼太くん、ちょっと起きよ?」

涼「んんっ……んっ、んぅ……」

裕「辛いなぁ、眠いなぁ…ごめんな、ちょっとだけ起きよ?」



可愛らしい寝息が、辛そうな魘されるような声に変わったのは、ほんの少し前。


すぐに可愛らしい寝息に戻れば良かったものの、涼太くんの寝息はどんどん辛そうな声に変わっていって。


思わず涼太くんを起こす。









裕「ん、大丈夫やで、ここおるからな」

涼「んんっ……あっ…」

裕「大丈夫、大丈夫」


ようやくゆっくり目を覚ました涼太くんの瞳は、明らかに潤んでいて。


手を広げてそばに寄ってあげると、ゆっくり近づいてくる涼太くん。




裕「んー?怖くないよ、ここにおるやろ?」

涼「裕太くん、裕太くん、」

裕「んー?なんや?」

涼「裕太くん、裕太くん、(泣)」

裕「なぁに、涼太くん」









どんどん瞳に涙が溜まってくる涼太くん。

フワッと包み込むようにこっちから抱きしめてあげると。





涼「ゆっ、たくっ…あぁーっ(泣)」

裕「ん、ここにおるよ」



次第に、声を上げて泣き始めた涼太くん。

何も言わずにただ、抱きしめてあげる。

そうすれば、涼太くんは思う存分泣けると思ったから。









涼「んんっ…裕太くん、ゆーた、くっ…(泣)」

裕「ん、涼太くん、涼太くん。一緒におるやろ?」









もちろん、肩はどんどん涼太くんの涙で濡れてく。


それでも、それを嫌がる理由なんてどこにもない。


ただ、涼太くんのそばにいる。


それが今の俺にできること。









涼「んっ、んっ……」

裕「大丈夫、怖くない。裕太くんここにおるよー、な?涼太くん」





だんだん落ち着いてくる涼太くんの背中を、ずっと撫で続けた。


その間、一度も涼太くんの顔を覗き込むような真似はしなかった。

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りさ - 新作楽しみにしてます(*^-^*) (2021年11月15日 3時) (レス) @page50 id: 96e86ff224 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめか(プロフ) - 下書きの公開楽しみです😊✨ (2021年11月13日 18時) (レス) id: e790979a11 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄 - お父さんがめんさん、お兄ちゃんが亜嵐か、裕太かがいいです (2021年11月2日 12時) (レス) @page50 id: 9560844fb8 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 涼太くんがいいです(*^-^*)新作楽しみにしてます(*^-^*) (2021年10月31日 3時) (レス) @page50 id: e43e150c6b (このIDを非表示/違反報告)
さらん - あらんくんがいいです (2021年10月29日 11時) (レス) @page48 id: d9f6645eb5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:jdhchebbdn | 作成日時:2021年8月7日 21時

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