常連さんのツイッター事情【浦島坂田船】 (ページ10)

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ツイート８ページ10

「っぅぇええええええっっ！！？？」

会社の外のベンチで一人お弁当をつつきながらツイッターを見ようとして、通知の
存在に気づいた私。

お腹の底にスピーカーでも内蔵されているんじゃないかというような大声で奇声をあげてしまった私を周りの人が化け物でも見るかのような目で距離を置いていく。

いや、だって仕方なくないっ！？だって……

(なんでさかたんにフォローされてるの！？)

目をもう一度ごしごしとこすってみるも、画面は『となりの坂田。さんにフォローされました』『となりの坂田。さんからDMが届いています』という通知の言葉に変わりなく。

(え、え、え！？DMまで！？え、なんで！！？)

もう本当にスーパーウルトラ混乱状態に陥ってしまった私はその画面のまま硬直してしまい、気づけば昼休憩があと１０分と迫っていたことに箸を思わず落としてしまったときに気づいて、急いでお弁当にがっつくしか他なかったため、三秒ルールだ！と箸をすばやく拾うと、ブチリとスマホの電源を切った。

＊＊＊

「……ん？」

お仕事終わり！と家に直行で帰ってきてすぐにスマホの電源をつけた私は、さかたんからのDMの存在にやっと半分くらい理解が追いついたものの、それを開くのにまだ勇気が出なくて、とりあえず四人のツイッターで心を癒して落ち着かせようとみんなのツイートを見ていたのだが。

四人のあるツイートで私は頭をひねらせる。

(……万年筆……？)

あれ、なんか既視感。

万年筆という単語に思わず、机に転がっていたつい昨日手に入れたばかりの黒色の万年筆をたぐりよせ、スマホを持っていない手でつかむ。

万年筆……？

ちょうどさかたんのツイートで止まっていたため、その写真と自分の万年筆を見比べる。

万年筆……？？

…………。

……いや、まさか、ね。

ある考えが頭をよぎるも、あまりに現実味がなさすぎて本気にすることができない。

だけれども、本気にしてしまったら恐ろしいほどにおばあちゃんの言っていた話に合致するのも確かで。

(……いや、でも、偶然だってありえるし)

なんて考えながら私は自然とすくりと立ち上がっていた。

外出用のリュックに手をのばして。