常連さんのツイッター事情【浦島坂田船】 (ページ11)

今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:155,561 hit

ツイート９ページ11

(……思わず来てしまった……)

就職してから休日にお店に行くのはもしかしたら初めてかもしれない、と考えながらもとりあえずお店への道中を歩く。

おばあちゃんに聞いてみるのが一番か……。

先ほど私の頭にはこんな考えがうかんだのだ。

四人の常連さん＝浦島坂田船なのでは？

いや、まっさかぁ！なんて思いながらもちゃっかりリュックの中には部屋の中に飾っていたやまだぬき人形を入れてきていた。

いや、なんでかはわかんないけど。

お店についたところで、おばあちゃんが誰かと楽しそうにおしゃべりしているところが見えたため、邪魔しちゃいけないなと待っていることにした私は入り口の陰でちょこんとしゃがんで小さくなっていたのがいけなかったのか。

誰かが近づいてくる足音がして、無意識にそれが誰なのか確かめようとお店から出てきたその人を見上げた……

「……あーうん。今日は無理やねん。ごめんな」

……え、え、え。

ころんと香る香水のような匂い、鮮やかな紫の髪。

スマホを耳に当て会話するその声はまさしくいつもイヤホンごしに聞いている彼の声。

「……うん。……おう、また今度な。じゃ」

待って、待って。今、そこにいるのは

(……志麻くん、だよね……！？)

もう一度言おう。入り口の陰で、しかもしゃがんでいたのだ。そして彼をガン見していた。

ふは、と笑い声を少しもらして会話を終わらせた彼がふと目線を下げるともうバッチシと目が合ってしまったわけで。

「ぅお！？ビビった……！え、誰？迷子？」

「……っっ！！」

は、話しかけられてる！！

いや、待ってください、きっと志麻くんの優しさでしゃがんで同じ目線にたってくれようとしてくれてるんだろうけど、

「え、ちょマジで大丈夫なん？熱とか？」

のびてきた志麻くんの手がおでこに触れる。

え、待って。私死ぬ。