「へーい！あかーし！」赤「それ...木兎さんそっくりなんだけど。」「当たり前でしょ((笑」赤「兄妹だからね。」木「あかーし！！」「うわ...本人来た...。」

視線２ ページ28

赤葦side



午後の暑くてしんどい時間帯もすぎて

夕方のオレンジと

少しだけ冷たい風に、思わず目を瞑り、涼む。



これから、また

木兎さんの自主練に付き合わされるんだろうな。




自主練は好きだ。



した分、他の人よりうまくなってるんだから。


けど、木兎さんの自主練は

終わりが見えない。



時間さえ伝えなければ

それこそ、朝までやりそうだ。




まあ、楽しいからいいんだけど。



とりあえず、顔でも洗おうと

外にある蛇口に向かうと






赤「ぁ...A。」






「...っ！？...京治...っ。」



水筒を洗っている彼女を見つけた。



少し変な気がしたけど

もしかしたら、気のせいかもしれない

と、気に留めないことにした。





赤「...あ...それ、手伝う。」







「あ、ありがと...。」






隣にしゃがんで、まだ洗えていない水筒を

カゴから、取り出した。




妙に無口な彼女に

疑問を抱きながらも、水筒を洗い続け

あとは、タオルで軽く吹いて

乾かすだけとなった。




あとは、だいたい1人で出来るから

と、カゴごと受け取る彼女に






赤「そういえばさ。」






と、話しかけると






「ふぇっ！？？」←




と、予想外の反応を受けた。





赤「...え？」






「ぇ、ぁ、いや...な、何もない、よ...！」





いや、あからさまに挙動不審なんだけど。






赤「また何か変なことする気？」






「へ、変なこと何もしてないもん！」





本当に何もないから！

と言って、水筒に視線を戻す彼女。





赤「......。」




合宿は、バレーがうまくなるから好きだけど

その期間、Aに触れられる時間が

グッと短くなる。



最悪、お互い忙しいと

ゆっくり話す時間もない。






つまり、俺は今彼女不足なわけで。←





欲のままに動けば

今この場で、抱きしめて

キスしてやりたいけど、さすがに無理。




あと少し、と自分に言い聞かせて

顔を洗い、タオルに埋めると

隣から、カランと何かが落ちた音がした。




視線を床に落とすと、水筒のフタがあった。






赤「...？......A、水筒のフタ落としｔ......。」





拾い上げ、Aに手渡そうとすると






「......〜っ....../////」






赤「...ぇ...顔、赤...。」




彼女の顔は真っ赤だった。








「っな、何もないっ/////」






と、慌てて視線を水筒に向けるけど

耳まで、真っ赤に染まっていた。

視線３→←視線１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す