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「そうだけど」
夏翠が肯定すると、3人は大きな声を上げた。
「初めまして、私加賀美ハヤトと申します。夏翠さんのお噂はかねがね…」
「不破湊です、あの、あのあの夏翠さんあの」
「ほ、本物!本物!!甲斐田晴です本物ですか!?」
「一気にしゃべるな、うるせぇ」
「ほわぁぁ、生罵倒いただきました!」
きんきんとする声で廊下で騒ぐ3人を、夏翠がうるさいと罵倒。罵倒が嬉しいのか、その場に崩れ落ちるのは現代ではあまり見なさそうな服を着た細見の男、甲斐田晴。
その隣で、まるで子供がヒーローに会えた時のような喜びを見せる加賀美ハヤトと不破湊。夏翠にとってはよく知った顔だが、3人は夏翠は初めてなのだから、興奮するのは当たり前だろう。
「3人とも騒ぎ過ぎでしょ。どうせなら今日の祭りに来る?」
「おい刀也、勝手に…」
「いいじゃん、夏翠くんだってほかの人と関わりを持ついいチャンスだよ」」
「そうだけど…」
「よし、そうと決まれば俺と夏翠で先に準備しとくっすよ。終わったら夏翠の家集合ね!」
「はい、お願いしますね」
夏翠がよくわからないうちに決まってしまったが、2人以外と関わりを持ついいチャンスでは、と夏翠自身も思っていた。
今の夏翠の頭には、葛葉のことなんて一ミリもなかった。
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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2022年9月19日 20時