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「葛葉、大丈夫なの?」



「へ?」





留守電にメッセージを残してから3日。音沙汰は何もなし。もうあきらめようかなぁ、なんて思っていれば、不意に叶から心配された。



何がだろう、と思うと、叶は少し広くなった部屋を見渡して、ため息を一つついた。





「元気に見せてるけど、元気ないでしょ」



「元気だよ」



「うそ」



「うそじゃねぇ」





ほんとかなぁ、と再び部屋を見渡した叶の目が留まったのは、棚の上に置いてある倒れた写真立て。あ、と思い慌てて叶のあとを追いかけたが、遅かった。



上げられた写真には、俺と閃ちゃんが写っていた。それは、付き合って初めて行ったデート先で撮った、初めてのツーショット。ずっと写真を飾っていて、別れてからも捨てることができなかった。





「未練たらたらじゃん」





叶にそんな風に言われたけど、未練が残らない方がおかしい。だって、こんなに好きなのに。



留守電は、聞いてくれただろうか。





「…だって、まだ好きだし」





『もしもし、俺、あのさ、…あの、急に電話してごめん。出なかったのもきっと理由があるんだろうし、…あ、留守電って時間短いんだっけ。…俺、俺、まだ好きだよ。女々しいとか思われるかもしれないけど、まだ好き。1週間待っても連絡来なかったら諦める。もう一回ちゃんと話したい』





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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2022年9月7日 11時

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