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「閃ちゃん、これも」
「お?…いちごラテは家にもあるけど」
「いや、もし明日いちごラテがなくなったら困るじゃん。予備だって」
「いつも同じこと言ってる、だめ」
「けち!マリカ負けたくせに!」
「それは関係ないだろ」
ぎゃんぎゃんと文句を言う俺を置いて、カゴを片手に閃ちゃんはどんどん先へ進んでいく。待ってよ、なんて言いながら、慌てて後ろを追いかける。
今頃叶は家で何してるかなぁ。なんて考えながら、閃ちゃんの隣をはぐれないように歩く。
俺が入れたいちごラテを戻さないでそのままカゴに入れているのは、気づいていないとか、戻し忘れとかじゃなくて、こいつの優しさ。
こういうところに、俺は惚れた。
「サーシャ、具はウインナーだけでいいの?」
「ん、野菜いらない」
「はいよ。…たまには野菜食べてほしいんだけどなぁ」
「やだ」
さすがにこいつに言われても野菜は食べたくない、だって嫌いだもん。
まぁ、食えたらもっとこいつの飯を美味く食えるんだろうけどさ。
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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2022年9月7日 11時