検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:19,760 hit

第七話:武装探偵社事務所/午前/快晴 ページ8

「包帯さん!」



初め包帯さんは、少し目を見開いてからすぐ晴れやかな笑顔でこう云った。

「そう!私が包帯さんだよ!君がAちゃん?如何して此処に?」

探偵社の方々はついていけない様である。
あんぐりと口を開けて、放心状態で私と包帯さんの事を見つめていた。
菓子青年は、にやりと笑う。

「私、敦くんと友達で、今から喫茶店に行こうとしてたんです。」

包帯さんの近くまで行き顔を見上げ乍答える。

「へぇ、敦くんがね……良かったら私も良いかい?」

敦くんは困った顔をし乍私の方を向いている。
SOSを発信しているのだ。
私は興味本位で云った。

「是非!一緒に行きましょう」

その後探偵社の方々と別れの挨拶をしてから、
敦くんと包帯さんと喫茶店に行く為に道を歩いている。
皆さんいい人そうだが、菓子青年だけは少し違った気がする。

三人で歩く。
三人とも無言だけど嫌な雰囲気では無く初々しい空気を放っていた。
勿論敦くんと包帯さんの間に挟まれて歩いている訳で、
包帯さんに手を繋がれている状態だ。
理由は迷子になるからだそう。

私を幾つだと思っているのか。

幾ら通話していても人に手を繋がれるとは何年ぶり何だろうか。
何だか懐かしい感じがした。
何処か遠い記憶の中の懐かしい気持ちだ。

包帯さん格好良い。

包帯さんの手は幾ら細身でも男の人だ。
ごつごつしていて大きくて温かい。
少し頬が暑い気がした。

一頻り歩いたら所私は聞いてみたい事が有り包帯さんに問う。

「あ、あの包帯さん、お名前は何ですか?」

そう云えばまだ聞いていなかった事。

「嗚呼、まだ云ってなかったね、私の名前は太宰治だ。」

「えっと、なんて呼べばいいですか?
太宰さんはトクベツな感ジないですし、治さんもちょっと」

私がそう云うと包帯さんが答える。

「包帯さんの侭で大丈夫だよ。」

その時の包帯さんの笑みは見惚れるほど懐かしく、綺麗だった。

「僕もAさんに質問良いですか?」

と敦くんは覇者り出て喋る。

「Aさんはいつ頃から太宰さんと御知り合いになったんですか?」

「えっと……えっとね。」


包帯さんと知り合った。



いつ?


何年前?


如何やって知り合った?


ネットじゃなかったっけ?

否違う……


もう少し前に会った


どこ?





……あれ?…





アレ?



あれ?



アれ?
あレ?ァれ?



思い出す事が出来ない……。
思い出そうとするほど頭が回らない。









あれ?

解らない。

第八話:過去篇/記憶/夕刻/晴れ→←第六話:公道/午前/快晴



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
73人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月仍 - 敦君の笑顔の絵がすごく上手で鼻血が出ました………。とても面白かったです!頑張ってください! (2017年12月26日 17時) (レス) id: e756010da3 (このIDを非表示/違反報告)
田道間守(プロフ) - 十夜さん» コメント有難うございます!たじまもりであっています!絵の事をほめてくださるとは…嬉しいかぎりです。更新がんばります! (2017年10月29日 20時) (レス) id: 735b857d79 (このIDを非表示/違反報告)
田道間守(プロフ) - karenyoshi0308さん» コメント有難うございます!丁度ディ○ニークイズしてたもので… (2017年10月29日 20時) (レス) id: 735b857d79 (このIDを非表示/違反報告)
十夜 - 田道間守 ってたじまもりであってますか? とても絵が上手いです。更新頑張って下さい。 (2017年10月21日 18時) (レス) id: a38d0a18a5 (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - フライパンwラプンツェルですね!!ww (2017年9月15日 20時) (レス) id: 9850d3be56 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紺野 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年4月26日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。