【刀剣乱舞】ソノ槍、折ラレケム【男主】

7粒：自己紹介 ページ9

「今日は新人くんを皆に紹介しようと思ってな」

主くんがそう言って手招きすると

入ってきたのは

灰色の刀剣男士。

僕はただ

この子ちゃんと食べてるんだろうか

と思っただけだった。

左文字の皆を見たときも思ったけど、

彼はもっと不健康といった感じだった。

本体を持てているのが不思議なほどに

やせ細った腕は枯れ枝といっても遜色ないし

生気のない目は隈で縁取られている。

顔は青白く、ひどい猫背だ。

それでも彼はキレイだった。

「…初めまして…村正の妖刀…Aです」

か細い声でそう言うと

それを聞いた皆が蜻蛉さんの方を一瞥した。

蜻蛉さんは皆の思いを肯定するように

小さく頷いた。

というか蜻蛉さんの顔を見れば一目瞭然であった。

ぶらこん刀剣が多いなぁ…と思った。

そして貞ちゃんに会いたいなぁとも思った。

できれば大包平さんが来る前に。

「…蜻蛉切は、僕の兄です…よろしくお願いします」

ぺこりと顔を下げると

とは言っても彼はずっと俯いていたが

すっと蜻蛉さんの隣に腰を下ろして

ふぅ…とため息をついていた。

とりあえず僕は

彼にいろんな物をいっぱい食べさせてあげよう

そう誓ったのだった。

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