【刀剣乱舞】ソノ槍、折ラレケム【男主】

10粒：出陣 ページ12

賽を振る。

この賽が自分たちの運命を

握っているのだと思うと腹が立った。

「…こんなちっぽけなものに左右されるほど僕らは儚い存在だと…」


数十分前のこと。

僕は朝礼の際に主に呼ばれていたので、

朝食を取って、主の部屋に向かった。

「Aです。主。…失礼いたします」

そそっと障子を開けて

中を伺いつつ入る。

主が僕に前に座るよう手招きするので、

その通り、主と向かい合うようにして座った。

「おはようAくん。体調は大丈夫か？初日は倒れたって聞いたけど」
「おはようございます。体調は万全です。身体も慣れてきましたので」

兄さん…あの事話したんだ…

そりゃあまぁ、報告義務はあるかもしれないけど

恥ずかしいから隠しておいて欲しかった…

「そりゃよかった。今日はAくんに遡行軍を倒しに行って欲しくてね」
「それは戦に出られるという事でよろしいのでしょうか？」

遡行軍…何かは知らないが

倒すっていうんだから戦うんだろう。

主は僕の言葉に鷹揚に頷いた。

「そうだとも。それで守らねばならないことが…」

そこからは半分上の空で説明を聞いていた。

久しぶりの合戦。

実戦の緊張感、敵将を討った時の高揚、

何もかもが楽しみで仕方がなかった。

だが…

「さいころころころこころぼろぼろ…」

期待は僕を裏切った。

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