エピソード18.5 ずっとむかしのおはなし Part4 ページ29
瞳「あの子があんなことを言うなんて･･･｡いつもヒロト兄さんとしか入らなかったのに･･･｡」
ヒロト兄さんがいなくなってから暗く淀んだ空のような瞳をしていた楓が珍しくわがままをいった
はじめてここに来た頃から達観していてわがままなどいったことがないのだ
それよりも驚きだったことがある
楓「姉さん､気持ちいい?」
瞳「ええ･･･｡」
楓が女の子であったことだ
否定しようもないほど育った体つきはそうだと認める他ない
楓「･･･俺･･･ヒロト兄ちゃんにお願いしたんだ｡『兄ちゃんにとって完璧な弟になるから男の子として扱って』って｡お陰で後戻りできなくなったけど｡」
瞳「･･･ええ･･･｡それより楓､性別のことよりも話したいことがあるんじゃないかしら?」
先程来るタイミングがあまりにもよすぎたのだ
楓「うん､俺､ここの小学校卒業したら他の中学校にいきたい｡」
瞳「なぜ?」
楓「俺さ､ここの子供は全員大嫌い｡だけどやっぱり家族なんだよね･･･｡助けたい｡」
瞳「･･･｡」
楓「アルタイルの実力はどのチームにも負けない｡でもそれじゃあ普段の訓練と然程変わらない｡
たった3人でも絶対に負けない｡
でも絶対に勝てないものがある｡」
瞳「･･･父さんね｡」
楓「うん､俺達3人だけじゃ足りない｡俺達3人以上の固い絆で結ばれるイレブンが必要なんだ｡」
瞳「･･･わかりました｡私がどうにかあなた達アルタイルを他の中学校へ入学させます｡」
そして密かにレジスタンスの活動が始まった
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作者名：さすらいの作者 | 作成日時：2018年11月3日 14時
