少しの憂鬱 ページ7
︎ ︎
『………』
JM「なに？」
『やっぱりかっこいいなと思って』
JM「っ、急に？」
『私の時代はこんなかっこいい子いなかったなと』
JM「そうなの？」
『うん、東高、ガリ勉眼鏡ばっかりだったよ？』
JM「ふっ、絵に書いたようなガリ勉だねㅎ」
『そ〜。だから彼氏作るなら他校だよねって、周りの子たちは言ってたなㅎ』
JM「Aヌナも、他校に彼氏いたの？」
『いたよー、けどこれまた全然続かないのㅎ』
JM「そうなの？」
『小説を書くから、やっぱり賢くて話が面白い人の方が付き合ってて楽しいでしょ？ほら、ジェミナはそれにピッタリって感じじゃん？そういう人と付き合いたかったのに、ここだとやっぱり東高がトップだったから彼氏とかはだめだめだったんだよねㅎ』
JM「Aヌナはさ、俺みたいな人と付き合いたかった？」
『うん、そんな人が私の高校時代にいれば良かったんだけどね〜』
そう答えると
「そっか……ㅎ」てなんか少し笑ってたけど
理由はよく分からない
『あ、今日は出版社に行ってくるね』
JM「サイン会の話？」
『そう。段取りの説明を聞きに行ってくる』
JM「わかった。気をつけてね」
『うん、ジェミナも気をつけて行ってらっしゃい！今日もいい一日を過ごすんだよ〜』
JM「うん……」
そんな話をして玄関で見送ると
いつも、少しだけ名残惜しそうな顔をするのは
ここへ来てからずっと変わらない
まるで親が会社に行くのが寂しいみたいな
そんな表情をこの子はするんだよね
でも、それにどう触れていいか私は分からないから
ただ、行ってらっしゃいと言うことしかできない
中学校はそこまで、仲のいい友達ができなかったみたいだから
高校ではできてるといいなって
そんな風に思いながら自分の支度を始めた
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作者名：☆rrk☆
| 作成日時：2023年10月15日 14時
