小説家の恋愛事情 (ページ6)

今日:46 hit、昨日:105 hit、合計:70,066 hit

卒業式ページ6

︎ ︎ ︎

あれから2人での生活にも慣れてきて

私の担当の編集者さんも安心してて、いつの間にか中学の卒業式を迎えた

『卒業おめでとう』

JM「ありがとう」

『もう高校生かー、なんか寂しいかも……ㅎ』

JM「なんでよㅎ」

『んー、なんかすぐに大人になっちゃいそう。ジェミナは特にね』

そう答えると

「俺は追いつきたいんだけどな……」て小声で言ってて

何にだろうって思ったけど、聞こえないふりをした

『あ、絶対、絶対看板の前で写真撮ろうね！』

JM「うんㅎ」

『あ、でもきっとジェミナと写真撮りたい人多いと思うから、正面玄関で待ってるね』

JM「え？いや、俺はAヌナとだけ撮れればそれで……」

『いや、それは周りが許さないからㅎ』

JM「そうかな」

そう家で話してたら

案の定式典の後にジェミナは捕まりまくってて

ほらね？て得意げに見届けて正面玄関に移動したら

「パク・A先生ですよね？」て、すっごい申し訳なさそうな感じで知らない男性に話しかけられた

『あ、はい。そうです』

男「あの、先生の小説いつも読ませてもらってます」

『そうなんですね。ありがとうございます』

男「あの、サイン……、お願いしてもいいですか？」

『はい。もちろんですよ』

そしてその男性は誰かの父親なんだろうけど

バックから私の本が出てきて

わぁ、本当に読んでくれてるんだなってわかって

サインを書くのが清々しかった

それからその男性と本の話をしていたら

「Aヌナ」て声をかけられて

ジェミナが終わったことに気づいた

『あの、看板の前で写真撮ってもらってもいいですか？』

男「もちろん、お撮りしますよ」

その男性にジェミナと写真を撮ってもらって

ありがとうございますってその場で別れた

『ふっ、全部ボタンないねㅎ』

JM「もぎ取られたんだよ……ㅎ」

『ふふ、人気者の証拠だね〜』

JM「でも、これはAヌナに貰って欲しくて」

『……もしかして』

JM「第二ボタン」

『私がもらっていいの？』

JM「うん、Aヌナに貰って欲しい」

そう言われて掌の上に置かれた第二ボタンは

どんな意味が込められているか、とか

そんなのは考えもしなかったから

ただ、「ありがとう」て気持ちで受け取った

︎ ︎