たっくんの心配事 ページ24
.
リハーサルの合間、雪さんが隣に座ったと思うとうっとりとした表情でホワイトデーの出来事について喋り始めた。足をじたばたさせては何度も照れたように微笑むその姿は年上だけどなんだか可愛い。
「雪さん、写真撮ってもいいですか？」
「だめ！今日すっぴんだし。でね、でね。少しずつ荷物移動させてるんだけど、これがまた意外と時間かかるんだよねぇ。今さぁ、ベッドのサイズで悩んでて。狭いのも嫌だけど広すぎるのも寂しいでしょ？たっくんはどんなのがいいと思う？」
ほら、と見せられたスマホの画面にはオシャレなベッド。どこからどう見ても二人が並んで寝るサイズ感で、妙に照れてしまう。というのも未だに雪さんと健太さんがお付き合いしてるって実感がなかったりするからだ。健太さんとはプライベートでゲームもしょっちゅうするけど、家に雪さんの面影なんて一切感じたことないし。…でもこれから一緒に住むなら、健太さんもあんまりゲームとかしなくなんのかな。誘いづらくなるなぁ。
「たっくん、難しい顔してどうしたの？」
「いや？あの、それで健太さんはどれがいいって？」
「別に今のままでいいじゃんってそれだけ。…なんかね、一緒に住むけどお互いの部屋で寝ようって言われて。だからベッドも今のままで十分なんだけどさー、せっかくだから気分変えたいなぁって。まぁでも私だけが張り切ってるみたいでちょっと寂しいのが本音」
さっきまでの表情とは打って変わってしょんぼりする雪さんに健太さんは照れてるだけだと思いますよ、なんてフォローしてみたものの雪さんの表情は曇ったまま。そのままリハーサルが再開してしまった。
「さっき、Aに絡まれてたねーー」
立ち位置が隣になったタイミングで健太さんがにやにやと喋りかけてきた。雪さんが浮かない表情をしてるのは健太さんのせいだっていうのに当の本人は全く気付いてない様子。
「健太さんと一緒に住むって喜んでましたよ。でも部屋が別々なのは寂しいって」
「知ってる？Aってベッドの上でキャス配信したりするんだよ？だからさすがにAのファンに悪いなぁと思って。いきなりベッド変わってたら嫌でしょ？そういうのって気付く人って気付くし。俺は別に何言われてもいいけどAは可哀相だからさ」
何にも考えてないようでちゃんと考えてるんだな、健太さんって。
「健太さん、ゲーム特訓しましょう。俺いくらでも付き合うんで」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 860人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Lala(プロフ) - Sachiさん» コメントありがとうございます！もうここからは二人を邪魔するものは何もないはず(笑)第5章は今まで以上に糖分高めで頑張りますね！ (6月27日 20時) (
レス) id: b9d8b91003 (このIDを非表示/違反報告)
Sachi(プロフ) - 更新ありがとうございます！健太くんの愛情たっぷりの爆イケモード全開ですね(⑉• •⑉)毎回きゅんきゅんしちゃってます。大変だと思いますLalaさんの無理のないペースでの更新楽しみに待ってます(*ˊ˘ˋ*) (6月17日 0時) (レス) @page50 id: dd61dcfcb9 (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - ひろなさん» コメントありがとうございます。大好き！って言ってもらえて嬉しいです。更新頑張りますね！ (6月7日 22時) (レス) @page46 id: b9d8b91003 (このIDを非表示/違反報告)
ひろな(プロフ) - 更新ありがとうございます！大好きなお話です。続きも楽しみにしております。 (6月4日 22時) (レス) @page45 id: 45f55b7c83 (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - ふーちゃんさん» お待たせしてしまってすみません。取り急ぎ更新しましたので楽しんでくださいね！ (6月4日 9時) (レス) id: b9d8b91003 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Lala | 作成日時：2022年2月8日 22時
