Seasons ー第3章ー

過去◆2019 誤解を招く嘘 ページ6

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【side健太】




Aは嘘を付くとき、絶対にピアスを触る。


さっき俺の誘いを断った時、やたらピアスを触っていた。




つまり、さっき断った理由は嘘ってことになる。




「あーー、意味わかんない」




俺的には正直上手くいってると思ってたんだけど。


お互いの気持ちが通じ合ったと思ってたのは、まさか健太だけだったの？







せっかくの亜嵐さんとの食事も上の空。




「ねぇカミケン。……雪のことどう思う？」


「は、い？」



ニヤリと笑う亜嵐さんに思わず姿勢を正した。


もしかして事務所の通路で隠れてキスしてんの見られてた？


いや、あの時はマジで誰も居なかったし。



「俺、前から怪しいと思ってたんだよね」



っ、完全にバレてる。



あーー、もうどうにでもなれ。





「雪の恋人だよね？―――――…寛太って」





「え？」


「この間見たのよ。早朝から二人でジムでいちゃいちゃしてんの。あれは絶対普通の関係じゃないね。雪ってメンバーにちゃんと報告とかすんの？陣くんとか反対しそうだよね〜」



お酒を飲みながら楽しそうに喋る亜嵐さん。







…………そっか、まだ好きだったんだ。



だから、まだ俺に好きって言わないんだ―――





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