episode 202 最凶の親孝行 ページ4
「...逆だよい、」
「何がだよ、」
ぽつりと呟やかれた言葉に、ラクヨウが反応する。マルコは頬に一滴の冷たい汗を垂らし、重い口を開けた。
「俺達がシャドウを倒す度に、その分解した分をあの化け物が吸収してってんだよい...！」
「何それ、じゃあシャドウを倒すなって事！？無理だよそんなの、こっちがやられる！」
「あァ、そうさハルタ。......俺達はまんまとあの青年の手のひらで踊らされてんだよい。」
ギリ、と歯をくいしばるマルコ。Aが吹っ飛ばされたのを見てすぐに飛んでいくつもりだった所が、このうじゃうじゃ出てくるシャドウに阻まれて立ち往生。なんとも憎たらしい奴等だ。
(物理が効かなくても、実体があるならば必ずどこかに心臓部分がある筈。)
再度伐沙羅の体へ登り、エース達にも指示を出して手当たり次第色々な所に攻撃を当てている。伐沙羅が体を捻った事により、Aがバランスを崩して頭から髪に転げ落ちる。
____オォオオォォオオオォオ!!!!!______
『！、何』
一際大きな咆哮に肩が跳ねる。その瞬間伐沙羅の体全体から衝撃波が出され、多くの者が小さな瓦礫の破片と共に吹っ飛ぶ。小さいとはいえ、衝撃波に乗ったものは銃弾やナイフと同じ様なもの。皆全身に傷を負い、人間達の戦力はごっそり削ぎ落とされてしまった。
吹っ飛ばされたのはAも例外では無く、またかと思いつつも空中では上手く動ける訳も無く。このままの方向では海に落ちる、高い所から打ち付けられる海の表面はコンクリート以上の強度だ。まずい。
「どこへ行く気だ馬鹿娘ェ！」
突然進行方向がカクンと真下に変わり、垂直落下。ボスンと鈍い音を立てて着地したのは、白ひげの腕だった。
『...大気を割るのは名案だが、馬鹿娘ってのはいただけないなあ。』
「グララララ、助けられた身で生意気なァ。」
『息子達を残して敵地を死に場に選ぼうとするような貴方も馬鹿親父ですよ。』
「......。どういう事だ。」
『仮に私の発言に心当たりがあったとしても、こんな殺風景な所で死ぬのは止しなさいや。白ひげに相応しい墓位用意してやるから。...まあどっちにしろ実現し得ない話ではあるけどね。父さんが生きるか、
私が消えるかすれば。』
「お前こそ、父親より先なんてのは親不孝にも程があるってんだァ。」
お面の奥で、彼女は無邪気に笑った。
『ごめんなさい、やっぱ私馬鹿娘かも。』
episode 203 漫画も中々侮れない。→←episode 201 いつかの約束
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 626人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
休暇を求める者(プロフ) - 春風駘蕩さん» ぴええ嬉しい…読んでくださりありがとうございます…。2年後入ってから全然本編追えてない上に自己解釈多めで恐れ多いですが、ちょっと人間臭い彼らの側面を表現出来てれば良いなと思います。長官お馬鹿で一周回って可愛いです。 (2022年2月10日 21時) (
レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
春風駘蕩(プロフ) - ぐおおおおお面白いいいいい、うわ神！すげぇ！ONEPIECEへの愛が溢れてやがるぜスパンダム可愛い！GOLDでも可愛かったなアレ！ (2022年2月10日 20時) (レス) @page14 id: 7ec3b8ebfc (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - はるまきさん» わああ最後まで読んでくださりありがとうございます！だいぶ前に完結した作品ですが、今でも沢山の方に見て頂けて嬉しい限りです。もっとONEPIECEに興味を持ってくれる人が増えたら…嬉しいな…！ (2021年9月1日 14時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
はるまき(プロフ) - 一気読みさせてもらいました。余韻が残りすぎて泣きそうです、笑ストロングワールド終盤から最後にかけて、とても話に引き込まれました！こんなに素敵で素晴らしい作品を作ってくださり本当にありがとうございます。 (2021年9月1日 3時) (レス) id: 6af91a71bf (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - ものすごく感動しました。面白すぎて1話から一気に読んでしまいました。久しぶりに最高の作品に出会えて良かったです！ほんとにありがとうございました、 (2021年6月15日 19時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2016年12月27日 10時
