episode 190 純粋な私から純粋な気持ちを ページ42
サニー号へ戻ると、他に島に出ていた面々も戻ってきていた。夕食を食べた後、資料や何やらを抱えてアクアリウムへいつも通り向かおうとした所にゾロとばったり目が合う。向こうが無言で見つめてくるので何事かと首を傾げると、突然彼はパチンと指を鳴らした。
「丁度良い。少し付き合え。」
『は、はあ...良いですよ。』
と、了承して連れられるがままにやって来たトレーニングルームの中で、自分は何故か腕立て伏せをするゾロの背中に腰掛けている。
「...お前だと重さ足らねェな。ついでにそこらに置いてる本の類いも乗せてくれ。」
『...私53Kg以上あるのに重さまだ欲しいのか...。』
現実世界では中々考えられないストイックさに、改めて彼らの卓越した身体能力を思い知らされる。
頼まれた通りに資料を乗せ、彼の背中でAも仕事を始める。
「......お前、最近ずっと何調べてんだ。」
『島の消滅について。アブソレム曰く、どうやら消滅する島はもう残り少ないらしいから。』
「その消える島ってのは、全部消えると何かあんのか。」
『想定しているのは、世界が外部つまり世界の外から野晒しになって天変地異が起こるだとか、世界そのものが崩壊するとか。これは島が防御の役割を務めている場合であって、島にある何かを片っ端から盗っている可能性もある。』
「...。やっぱ、スケールがでかすぎて俺にはついていけねェな。天変地異って具体的に。」
『密室の壁に穴が空いて毒ガスでも入ってくるものだと考えて貰えれば。』
「へェ、成る程。」
のんびりと交わされる会話はどこか心地よくて、Aはゾロに確かな安心感を感じていた。漸く腕立て伏せが終わり、彼にタオルを渡す。
「おう、サンキュ。.........A、」
『なあに。』
唐突に名前を呼ばれ、緩く返事をするA。
「メルヴィユの時は言い損ねたからな。
_______無茶と無理は、すんなよ。」
『...。』
彼の気遣いに、思わず黙る。
「まァお前の事だから、絶対の約束は出来ないなとか思ってんだろうな。ただ...俺とお前は何となく似てる所があるから、お前がやりそうな事言いそうな事が俺にも何となく分かる。」
ふう…と一息つくと、彼は続けた。
「だから、さっきのは似た者からのお節介であり...純粋に俺、一個人からの心配だ。迷惑ならそれで構わねェよ、聞き流せ。」
そう言って後ろを向いた彼の背中に、一個人から純粋な感情を込めて、こっそりお礼を呟いた。
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ねんねこ - 主人公が最初に行ったところは、「妖精の尻尾」…？ (1月4日 23時) (
レス) @page2 id: 15c763c3c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 休暇を求める者さん» はい！まさにその通りですね！では、休暇を求める者様は私から見て、先輩ですね！なんて憧れる先輩何でしょうか………！！ (2016年12月26日 22時) (レス) id: a4dea3cde0 (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - 休暇を求める者さん» もー、憧れマス！読みやすい文だし、飽きないし、！絵なんかペン入れ丁寧すぎますよ〜… (2016年12月26日 21時) (レス) id: 7e8a9f0932 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - しずくさん» おお、こちらでもΣ(ﾟωﾟ)ありがとうございます(*^^*) (2016年12月26日 21時) (レス) id: dfb8f9f852 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ゆうさん» ぬおお、ありがとうございます(´；ω；`)お、怒られとるんかい！(◎-◎;)それは中々大変ですね、ゆうさんのお役に立てていればとっても嬉しいです。受験生ということは中3かな？懐かしいですね〜、私は二年前だあ( ﾟ∀ﾟ) (2016年12月26日 21時) (レス) id: dfb8f9f852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2016年10月29日 17時
