episode 177 帰還 ページ29
「...お前の迎えが来たようだな。俺の役は終わった、じじいはもう引っ込んでおくぜ。.........せいぜい生き抜けよ、霧雨の魔導士。いや、兎乃峯A。」
最後の最後に名前で呼ばれた事に驚くが、彼は身を引きずりながら半壊の王宮に消えていった。
自分もどうにか動こうとするが、呆れる程に体に力が入らない。このまま回復を待っても凍死しかねないと思い、どうしたものかとぼんやりした脳で悩んでいると、王宮の廊下から地面を蹴る音が聞こえてきた。
「____はあっ、はっ...！居た、A！！」
息を切らして中庭へやってきた彼は、壁に力なくもたれ掛かるAを見て青ざめた。
「おい、お前その身体...。」
彼の異様な驚き方に、自身の手を月に向けるA。彼女の手は、白銀の月光を遮った。
『......ああ、大丈夫。重傷では無いみたい。』
「こんだけボロボロなら十分重傷だって...全く。」
ため息をつくと、彼は自分のジャケットを彼女に掛けて抱き上げる。
「...ははっ、今は姫様抱っこに抵抗する余裕も無いか？」
『正直そわそわするけど...甘えさせて貰うよ。
ありがとう、サンジ。』
小さく呟くと、彼女を探しに来た王子は優しく笑った。
「勿体無いお言葉です、プリンセス。」
『やめろ、プリンセス言うんじゃない。寒い中更に鳥肌立ったでしょうが。』
「あまり余計な事言うと落ちますよ〜プリンセス。」
『それもやめてくれぇ』
話せる余裕があることに安堵しつつ、サンジはサニー号へ走った。
窓の外から聞こえるカモメの声に、目が覚めた。辺りを見渡すと、デスクや医療関係の書籍が並べられた棚が目に入る。医薬品に混じって潮の匂いがするので、どうやら自分は船の医務室に居るようだ。
ベッドから体を起こして自身を見ると、いつの間にか丁寧に包帯が巻かれている。誰が巻いたのかは、包帯についている茶色の毛で想像がついた。
「あ、良かった起きた！A、もう大丈夫そうか？」
『お陰様で。ありがとね、敏腕のお医者さん。』
「び、敏腕...！誉められたって、う...嬉しくねェぞコノヤロ〜！」
彼女の様子を見に来たチョッパーは、お礼を聞くなり小躍りし出す。その様子にAが笑っていると、もう一人来訪者が顔をドアから覗かせた。
「...A！！」
『おや、ルフィ...ぐえっ』
「コラァァァァッ、ルフィ！！怪我人に飛び付くなァッ！！」
医者からストップ出ました。
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ねんねこ - 主人公が最初に行ったところは、「妖精の尻尾」…？ (1月4日 23時) (
レス) @page2 id: 15c763c3c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 休暇を求める者さん» はい！まさにその通りですね！では、休暇を求める者様は私から見て、先輩ですね！なんて憧れる先輩何でしょうか………！！ (2016年12月26日 22時) (レス) id: a4dea3cde0 (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - 休暇を求める者さん» もー、憧れマス！読みやすい文だし、飽きないし、！絵なんかペン入れ丁寧すぎますよ〜… (2016年12月26日 21時) (レス) id: 7e8a9f0932 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - しずくさん» おお、こちらでもΣ(ﾟωﾟ)ありがとうございます(*^^*) (2016年12月26日 21時) (レス) id: dfb8f9f852 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ゆうさん» ぬおお、ありがとうございます(´；ω；`)お、怒られとるんかい！(◎-◎;)それは中々大変ですね、ゆうさんのお役に立てていればとっても嬉しいです。受験生ということは中3かな？懐かしいですね〜、私は二年前だあ( ﾟ∀ﾟ) (2016年12月26日 21時) (レス) id: dfb8f9f852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2016年10月29日 17時
