episode 174 空前の危機 ページ26
やはり。彼も身体に大きな損失をすれば、この世界にはとどまる事が出来ないのだ。
『良かった良かった、これで心置き無く暴れられる。』
「果たして、どうであろうかな。」
銃弾を相殺しながら発したアブソレムの言葉に、顔をしかめながら反応するA。
「うぬは既に気付いている筈だ、自身への違和感に。それは決して気のせいでは無い、事実である。そしてうぬは知っている筈だ、この世界で起きている惨事とその首謀者を。」
『！！...チッ、そういう事か。一応感謝しておこう、遠回しによくぞ教えてくれた。』
悪態をつくが、先程よりも焦燥感はつのってきた。
ずっとおかしいと思っていたのだ。シキと初めて会った時から。
アブソレムと会う前から彼の気配は感じ取っていたのにも関わらず、いざ背後に立たれると気付かなかった。
彼が気配を消したのか。確かにそれもあるが、消しきる事は難しい筈。自分は外部の気配に敏感なのだから。するとつまりこうだ、
自分のその敏感さが薄れてきている。
ではこの原因は何なのか。この世界に来た当初は、自分に何の異変もなかった。それがいつの間にか自分の知らぬ間に変化が起きていて、気付けば簡単に背後をとられるようになってしまったのである。
そう、初めてその変化に気付いたのは、
「コンピラ島の消滅。残り僅かとなった要(かなめ)の島々に比例し、うぬはうぬ自身の自由が利かなくなってきている筈である。...その訳は、わざわざ教えなくとも分かるであろう。さて、
ゲームをそろそろ終わらせよう。」
___パリンッ
『...え、』
アブソレムがナイフを防御結界へ投げる。すると衝撃的なことに、あり得ないことに、軽い音をたてて容易く割れてしまったではないか。
「万全の守りとは笑わせてくれる、今のうぬに万全などありはせぬ。そして要の島に大幅な魔力消耗を強いられたようだな。...再度言おう。
余を相手に勝ち目があるかどうかなど、容易く想像がつく事では無いのか。
答えは是だ。」
『っプロテゴ・ホリビリス！』
この世界に来て一番の危機を感じ、強力な防御結界を張る。
「...今の貴様は、指１本で倒れる逆三角形だ。」
アブソレムによって投げられた短剣１本で、たった１本で防御結界にヒビが入る。それは次第に広がっていき、終いには脆いガラスのように砕け散った。
『.........嘘だろ、』
「真よ、憐れな魔法使い。」
Aの右上頭部を、１本の短剣が掠めていった。
episode 175 運も実力の内っていうけど本当かねそれ。→←episode 173 "脆い"の正体
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ねんねこ - 主人公が最初に行ったところは、「妖精の尻尾」…？ (1月4日 23時) (
レス) @page2 id: 15c763c3c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 休暇を求める者さん» はい！まさにその通りですね！では、休暇を求める者様は私から見て、先輩ですね！なんて憧れる先輩何でしょうか………！！ (2016年12月26日 22時) (レス) id: a4dea3cde0 (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - 休暇を求める者さん» もー、憧れマス！読みやすい文だし、飽きないし、！絵なんかペン入れ丁寧すぎますよ〜… (2016年12月26日 21時) (レス) id: 7e8a9f0932 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - しずくさん» おお、こちらでもΣ(ﾟωﾟ)ありがとうございます(*^^*) (2016年12月26日 21時) (レス) id: dfb8f9f852 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ゆうさん» ぬおお、ありがとうございます(´；ω；`)お、怒られとるんかい！(◎-◎;)それは中々大変ですね、ゆうさんのお役に立てていればとっても嬉しいです。受験生ということは中3かな？懐かしいですね〜、私は二年前だあ( ﾟ∀ﾟ) (2016年12月26日 21時) (レス) id: dfb8f9f852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2016年10月29日 17時
