episode 87 三つ前に戻ってみよう ページ39
その後、少し暗くなっていたサボの調子もすぐに直り、再び街を歩いた。
Aと過ごせたのはほんの1、2時間で、彼女が宿へ戻った数十分後にそこへ向かうと既にチェックアウトをしていた。
再開の約束どころか、見送りの言葉さえ掛けられぬうちに彼女は去ってしまった。
(...気が合うと思ったのに、なんか悔しいな。)
連絡先の一つでも聞いとけよ俺、と自分の考えの無さを後悔する。
「...あのさあ、サボ君。いい加減反応しないとそのぽけーっとした頭に踵落とすわよ。」
「ッは！？あ、は、はいっ何で御座いましょうかコアラさん！？」
背後から不穏な気配を感じ取り、振り向くと鬼の微笑をたたえた恐ろしい恐ろしい同僚の姿が。
「...あはは！そんなに驚くとは思わなかったわ。そのリアクションに免じて許してあげる。」
「いや全く冗談に聞こえねェよ...。」
「あら、冗談じゃ無くして欲しいの？」
「滅相もありませんご勘弁を。」
笑顔で手をポキポキと鳴らすコアラに、ダラダラと汗が垂れる。しかし彼女が怒るの頷ける、10回以上呼び掛けてもサボは反応しなかったのだ。
「で、そんな考え込んでどうしたの？行動的なサボ君にしては珍しい。」
「...いや、ちょっと失敗したなと思っただけだ。」
「そうよねー。"話したいから"なんて大胆に誘っておきながら、連絡先の一つも聞いておかないなんて痛いミスよ。」
悔しいが彼女の言う通りだ。お互い慌ただしい身であり、次はいつ顔を合わせられるか分からないというのに________ちょっと待った。
「お前、何で知ってんだ。」
「見てたもの。」
「..................はい？」
「サボ君、私服に気合入ってたよね〜！思わず噴き出しそうになっちゃった。」
ぺらぺらと、本来彼女が知り得ない事が彼女自身の口から流れ出る。唖然としていたサボは、はっと我に帰るとコアラの口を塞ぐ。
「...いや、まて、おま。色々突っ込みたいが、まず！！見てたってどういう事だよ！？」
「逆に、宿の部屋が隣同士なのに何で気付かれないと思ったのかしら？現に宿のエントランスでバッタリ会って今話してるじゃない。」
「ぐ、」
「それで街を散策したら黒髪の子と並んで歩いてるサボ君がいたの。君の様子と状況と更に性格を考えれば、直ぐに分かるよ。」
「言い方変えりゃ俺が分かりやすいって事か！！」
「付け加えると、通話をoffにしようして間違えてコールバックしちゃう天然でもあるわね。」
「...。」
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やべー奴 - コンピラ島のモデルって金比羅山ですか？！いやぁ、知ってる所が出ると嬉しいなあ、これからも頑張ってください！ (2018年3月13日 15時) (
レス) id: fc154cb5dc (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ルイさん» うおおおおおおん｡ﾟ(ﾟ＾∀＾ﾟ)ﾟ｡なんと嬉しゅうご感想でございましょう！！ありがとうございます、作者の好みやら性格やらが全開のお話ですが、楽しんで頂けたようで一安心です。お見事、おっしゃる通りハリー・ポッターからです(☆∀☆) (2016年11月22日 16時) (レス) id: d81d244b96 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - にしても面白いですよ、この話。心にぐっと来る言葉が沢山です。これはワンピースの名言追加だな。正直な自分の顔で前見据えなさい。なんか特に！！ (2016年11月22日 9時) (レス) id: a1c8d4e665 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - スパンダム面白い！！ところで作者さん、魔導士さんの魔法の呪文、ハリーポッターからとってませんか？ (2016年11月22日 9時) (レス) id: a1c8d4e665 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ココアさん» アットホームな白ひげ海賊団。ここらへんは、書いていて作者もほっこりとしていました(〃´ω`〃)そして今見ると懐かしいィィィィィ！！(笑) (2016年11月8日 21時) (レス) id: d81d244b96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2016年7月16日 11時
