episode 85 過去を海に置いてきた青年 ページ37
翌日 8:25am
待ち合わせ時刻５分前に宿の外へ出ると、
「おはよ。」
『...お、おはようございます。』
既にスタンバってた。
今日のサボは、紺のシャツに白のチノパンというカジュアルな服装。
いつものシルクハットはオフだ。
『流石、来るのが早いね。』
「20分前に来たからな。」
『早いね(2回目)』
「なんかじっとしてると落ち着かなくてさ...早めに来ちまった。」
頬を指で掻く彼に、分かる分かると頷くA。
「じゃあ、早速街歩くか？」
『腹のスタンバイは完璧よ』
「食べ物目当てかよ！」
意外と食い意地張ってんな〜と朝から爆笑する元気があるサボに感心。
同時にやはり美青年だなとのんびり思う。
『朝は何も食べておりません。』
「なら、出店が並んでる所があるから行こうか。俺も朝食ってねェし。」
『そ、そうだったのか。』
「俺ら気が合いそうだな？」
『だねぇ。』
「へへ。」
二人で朝の街を歩く。並んでみて気付いた事は、やはりこの世界の住人は背が高いということ。
少し港方面に歩くと、市場のような活気に包まれていた。
「お、この間の兄ちゃん！隣の子は彼女かい？」
(べ、ベタだなー。)
『残念ながら友人ですね。』
「えっ、ざんね…？？？あ、あはは！そっそれより！おすすめのサンド２つ頼んで良いか？」
「おう、毎度あり！今日は仕入れが良かったから少し増やしてやったぞ。」
『わ、凄っ。ありがとうございます。』
２つに切ったパンの間にぎっしりと詰まった具材。通常でも多そうなのに更に増えてらっしゃる。少しどころでは無い盛り加減にお礼を言うと、律儀なお嬢さんだな、とニッコリ笑う店主の男性。
木陰にあるベンチへ移動し、早速ご賞味。
『...滅茶苦茶美味しい！！凄い好み！！』
「本当？この島に来て最初に食べたんだけど、俺もはまっちゃって。」
見た目はBBQサンドだが、具材は現実世界で言うメキシコのケバブに良く似ている。
『そういえば、今日は任務無し？』
「そう。任務は昨日で全部終わったから、今日は休み。明後日くらいには革命軍本部に戻ると思うぜ。」
サボの話に相づちを打ちつつ、一つ話題を出してみようと考える。
『革命軍も忙しそうだね、実家とかに帰る暇すら無いでしょう？』
「...」
案の定彼の動きが止まる。意図的に申し訳無い事をしたが、この問いかけは今後において重要である。
「...あー。実は、俺。
記憶、無いんだ。」
episode 86 嘘つきな正直者→←episode 84 電話に出て20分経過
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 994人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やべー奴 - コンピラ島のモデルって金比羅山ですか？！いやぁ、知ってる所が出ると嬉しいなあ、これからも頑張ってください！ (2018年3月13日 15時) (
レス) id: fc154cb5dc (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ルイさん» うおおおおおおん｡ﾟ(ﾟ＾∀＾ﾟ)ﾟ｡なんと嬉しゅうご感想でございましょう！！ありがとうございます、作者の好みやら性格やらが全開のお話ですが、楽しんで頂けたようで一安心です。お見事、おっしゃる通りハリー・ポッターからです(☆∀☆) (2016年11月22日 16時) (レス) id: d81d244b96 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - にしても面白いですよ、この話。心にぐっと来る言葉が沢山です。これはワンピースの名言追加だな。正直な自分の顔で前見据えなさい。なんか特に！！ (2016年11月22日 9時) (レス) id: a1c8d4e665 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - スパンダム面白い！！ところで作者さん、魔導士さんの魔法の呪文、ハリーポッターからとってませんか？ (2016年11月22日 9時) (レス) id: a1c8d4e665 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ココアさん» アットホームな白ひげ海賊団。ここらへんは、書いていて作者もほっこりとしていました(〃´ω`〃)そして今見ると懐かしいィィィィィ！！(笑) (2016年11月8日 21時) (レス) id: d81d244b96 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2016年7月16日 11時
