episode 28 覇気って何だっけ ページ30
「......。」
赤髪が突然ある方向を向く。 その見つめる先には、
「どうした、お頭。」
「居る。」
「居る？何......まさか。」
副船長ベン・ベックマンは、赤髪が言わんとしている事が直ぐに分かった。
見つめる先は、Aの居る部屋。
「赤髪の野郎……見聞色の覇気を使いやがった。」
サッチが小声で呟く。ものの気配を敏感に察知することが出来る見聞色。それを使われてしまったのなら最早、隠し通すのは不可能だ。
ﾌﾟﾙﾙﾙ...ー
❬......ああ、名乗る必要はありませんよ。赤髪さんですね。❭
電話から聞こえてきたのは、凛とした女の声。
まだ一言も発していないのに、彼女は気配で分かるのか。
「...ほう、よく分かったな。その通りだ。君に一目会いたいんだが、俺に顔を見せてくれないだろうか。是非話がしてみたい。」
❬そちらの会話は全て聞かせて戴いたので、良いですよ。後はそちらで、❭
『話しましょうか。』
「！」
つい今、でんでん虫から流れていた声が背中から、鮮明に聞こえる。
いつの間に。
『えーと、霧雨の魔導士？です。』
驚いた、魔導士というのだからそのような風貌かと思いきや。焦げ茶のジャケットにクリームのTシャツ、ジーンズというカジュアルな格好。
首を傾げながら笑う愛嬌は、全く予想外だった。
本当に彼女が、かの白ひげの覇気をものともしなかった人物なのであろうか。
「やあ、お嬢さん。...…初めまして。」
瞬間、鋭い気迫がAの周りの大気を揺らす。 あまりの威力に、彼女に向けられたにも関わらず数人が倒れる。そんな中、
当の本人はけろっとした顔で微動だにしない。
「...これは、驚いたな…。」
これには赤髪も乾いた笑いが口から漏れる。
『...ふむ、中々のご挨拶ですね。』
「や、すまなかった。噂が本当なのか気になってつい。」
「おい赤髪ッ！！何やってくれてんだ！！！」
「クソッタレがァ...娘に覇気を向けやがって...。」
サッチに続き、珍しく白ひげも怒りの声を上げる。それを制止したのは、Aであった。
『まあまあ。そりゃ驚きますよね、こんな弱そうな見た目なのに覇気を受けてピンピンしてる奴。...なんなら実は本人が一番驚いてるんですがね。』
何だこのお嬢さん。面白い。
赤髪のツボに程よくヒットした。
episode 29 四皇、落ち込む。→←episode 27 海軍が恐れる雨
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ミズキ(プロフ) - 休暇を求める者さん» それでも素晴らしいです！！いい感じの言葉を引用できる才能に感動しました！！！ (2022年3月9日 8時) (
レス) id: b335634606 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ミズキさん» はわ…畏れ多いです。夢主の良い返しが思いつかなさ過ぎて苦肉の策でツンデレ入れたなんて…言えぬ…。 (2022年3月8日 23時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - 「当たり前だバーロー」でもう、作者様の言葉選びのセンスを感じました！！面白いです！！ (2022年3月7日 5時) (レス) @page22 id: b335634606 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 美姫さん» す、凄い…そんな微細な変化にもお気付きになられるとは…笑 また遊びに来てくださり本当にありがとうございます。新作を機にこちらもぽつぽつと修正してまして、ぜひ間違い探し感覚でお楽しみいただけたら嬉しいです。 (2022年2月27日 13時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 久しぶりに初めから読んでみようと思ったら一番始めに『お手元に飲み物を』って書かれてて笑っちゃいましたwwしっかり飲み物を準備して読んだんですが、やっぱり最高に面白いです！これからも応援しています！無理せず頑張ってください！ (2022年2月27日 2時) (レス) @page1 id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2016年6月24日 18時
