episode152 不満な鎖のジャラジャラ音 ページ5
Aが言い放った要求は、およそ彼女の口から出てきたとは思えない内容だった。
当然である。
A自身も、絶対に言うまいと思っていた台詞だからだ。
それでも言い放った理由は、ただひたすらに、エゴとわがままであった。
「……」
しばらくキョトンとしていたサッチは、おもむろに胡座をかくと両手を膝に乗せ、1番深い溜息をついた。
そしてスッと息を吸うと、顔を上げてまっすぐAを見た。
「＿＿＿＿＿望むところだ。……言葉通りな。」
彼の覚悟が、決まったようだ。
「安心しな、お嬢。俺達も元よりそのつもりで来てる。」
サッチの様子を見たイゾウは銃から手を離し、船の壁に背を預けた。
同様にエースも警戒を解いている。
『う、う〜〜ん…。そ、そう…ね…本音的にはあんまりなんだけど…』
「ははっ！だろうと思ったよ。お前が普段絶対言わないような台詞だもんな。」
歯切れの悪いAに向かってケラケラと笑うイゾウ。
稀に呼ばれる"お前"には、Aの知らないAの姿を見てきた彼からの、信頼も込められている気がした。
「けど悪いが、俺たちにとっちゃ良い鼓舞だったよい。」
「ええ、全力でやらせて貰うわ。」
マルコに続き、Aと同じ潜入班のロビンもクールに口の端を上げる。
周囲からも同意の雰囲気を感じ取ったローは、刀を担ぎ直し、気持ち声を張り上げた。
「情報は申し分ねェとは言い難いが、方針は決まった…！島に戻り次第最後の会議を開く。夜中には作戦開始だ＿＿＿＿＿＿それまでに出来る準備は全て整えるぞ！」
彼の言葉に応えるように、各方面から覇気の籠った声が帰ってきた。
出来る準備。
Aが出来ることといえば、正直、今胸の内にあるこの覚悟を維持し続けることで精一杯だが。
(他に何か、ないだろうか。)
Uターンをするサニー号の上で、彼女は静かに思案していた。
「…ハァ、またかよ。何だ今度は。」
無人島へ引き返す船の中、いかにも怠そうに振り向いた男。彼の斜め後ろには、どうも掴みどころのない取引相手がまたも立っていた。
『情報収集？』
「あ？イヴ・コナーについてなら話しただろうが。」
『経歴はね。』
「ていうかなに邪魔な見張りまでつけてんだよ」
顔を顰めたシーザーの目線の先には、麦わら帽子を被った天敵が仁王立ちをしていた。
「お前がなんか変なことしねェようにだ！」
「出来るかァこんな拘束状態でッ！！！！」
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休暇を求める者(プロフ) - いぶきさん» 3ヶ月越しの返信で恐れ入ります…！ご感想ありがとうございます。エース推しとのことで、もう暫しドッタンバッタン最終章が続きますが、ぜひ以降の流れも楽しみにしていただけましたら嬉しいです。 (7月2日 13時) (
レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
いぶき(プロフ) - 最初からここまで読んできましたがとても素敵な作品でエース、サッチが生きてるお話が見れるのがとても嬉しいです！エース推しなので時々見れるきゅんシーン射抜かれてます！エースもイゾウもルフィも好きなのでたくさん見れて幸せです！更新楽しみにしてます！ (2023年3月29日 7時) (レス) @page18 id: d33577c241 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ンョョさん» 大変な高評価を頂いてしまった上に…しかも長くお付き合い頂いてるとのことでなんと御礼申し上げれば…？？？大変光栄です、ありがとうございます。正直読み返すとまだまだ怪しい所もありますゆえ、今後も精進して参ります…( ˘ω˘ ) (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 莉久さん» 遅ればせながら返信いたします。う、嬉しか〜〜〜〜〜〜！特に世界観の維持はとても気にしていた所なので、とてもありがたいです。今作の中心人物はほぼ全員登場してしまったのですが、終盤に色々企ててますのでぜひお楽しみに… (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
ンョョ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。何年も前から読んでいる者です！ストーリーの根幹がすごくしっかりしていて、伏線の張り方や登場人物のなめらかな視点移動が読んでいて惚れ惚れするほど圧巻です…！いちファンの身ですが、これからも応援しております。 (2023年3月2日 0時) (レス) id: 795bb29f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2022年12月30日 3時
