異世界放浪者は浪漫を求めていない。[ルパン三世]

episode45 大泥棒の裏切り ページ48

「おお、素晴らしい！！！これこそ、これこそ…！！私が手中に収めるべき至高の宝！！！」

狭い洞窟を進み、急に開けたところに出たと思ったら圧巻の光景が待ち構えていた。

気が遠くなる程の月日を得て生まれた、青白い巨大な鍾乳洞。
あちらこちらに図形の穴が空き、道が作られていたりと明らかに人の手が加えられ、いつか存在したミニチュアの王国がそこにあった。
至る所がキラキラと極上の宝石を散りばめたかのように輝き、頭上を見上げると太陽の代わりに光を放つ巨大なクリスタルが。

お伽話に出てくるような、まるで現実味の無い神秘的な空間だ。

「さあ、善は急がねばならぬ！！シャツカンマーの娘、こちらに_________」


ドォォォォンッ_________！！！！！



『！？何の音何の音！？』


洞窟の外から響いて伝わってきた爆発音。アロガンズが待機させていた部下達のものだろうか。だとしたら、何かしらの勢力と戦闘している事になる。

「誰だ、私の宝に近づく不届者は！！！」


無線で怒鳴り散らすアロガンズ。1人の部下が応答すると、

[ボスッ、インターポールです！！警察が制圧しに来ています、只今応戦中で_________ブツっ]


「な、おい、貴様！！応答せんか！！！」


…とんでもない単語が飛んできた。


インターポールって…とAが呆気に取られていると、好機と言わんばかりにルパン達が動いた。彼女は不器用な援護射撃をするので精一杯。銃で自分たちを脅していた部下達を瞬く間に戦闘不能に追い込み、アロガンズの戦力をほぼゼロまで削ぎ落とした。

「きっ、貴様ら、不二子がどうなっても良いのか！？この女には利用価値もないのだ、殺したところで…！！」


カチャ、




「待て、全員動くなよ。





…もう一度言う。







＿＿＿＿"全員"、だ。」







『…え、はい？』


アロガンズに向けられたと思ったピストルは、この空間にいる全員に向けられたものだった。Aは状況の理解が追いついていない、何故自分も狙撃対象にされているんだ？アロガンズが不二子に銃口をぴったりつけている中で、更に脅しをかけるルパンにヒヤッともした。どこからそんな自信が、というか本当に何故私が脅されているのか…


「まあ落ち着けよ、アロガンズ。…外はまだドンパチやってるが、ようやくお話が出来る状況になったじゃねぇか。」


「こ、この期に及んで何を企んでいるのかねコソ泥風情が…！！」



「馬ー鹿。





…企んでるのは、俺じゃねぇよ。」

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