episode25 ボクっ娘お姫様は手厳しい ページ28
「________シャツカンマー家は、生きたUSBなんだよ。」
「!フレイヤ…。」
ドアに寄りかかり腕を組む少女は、紛れもなく昨日自分のことを睨んで来たあの子だ。突然会話に入ってきたことにルパンが驚いていると、フレイヤは淡々と続けた。
「シャーマンともちょっと似てる。でも、精霊とか超次元的な存在の力を使って治癒能力を得る訳じゃなくて、過去を見ることができる。」
『嘘、予知能力の逆みたいなことが出来んのか?』
「出来るっていうか、見えちゃうんだって。お母さんが特にそうだった。…私はそんなの全く無いんだけど。」
『へえ。………………え?』
ちょっと待て、こいつ今さらっと大事なことを言わなかったか?
「ああ、そういえばフレイヤ。…今日、お前の父親に会ってきたぜ。」
『はああああやっぱりぃぃぃぃ!!何、やっぱり君ってシャツカンマー家の娘なの!?』
「え、知らなかったの?」
「お前がシャツカンマー博物館から俺たちに付いてきたって事を、Aは知らねぇよ。」
「あっそ。……てか、何で会ってきた訳?父さんに僕を引き渡すつもり?絶対に戻らないから。」
「へいへい、分かってるっての…。」
父親の話を持ち出されたフレイヤは、あからさまに機嫌を悪くした。どうやら親子の仲は良好では無いらしい。
『何でそんなに父親を嫌がるんだ?』
「だから、父さんは僕の事なんかどうでも良いんだって!」
『いや、"だから"って言われても私は初耳なんだが。』
「……もう、良いでしょ。この話は。」
顔をしかめたフレイヤは、どこか怖がっているようにも見えた。
「それで、アロガンズの件は何か進んだの?」
「ん?何でお前が知ってるんだ。昨日は部屋に籠ってたよな。」
「盗聴してたに決まってるじゃん。」
『いや決まってねーよ…。』
「おっかねぇ中学生だ…。」
盗聴により、Aの身元も既に理解しているようだ。しかし、あのルパン達が情報を飲み込むのに四苦八苦していたのにも関わらず、けろっとした顔で難無く理解してしまうのだからあっぱれである。若さ故の頭の柔らかさだろうか。
「取り敢えずは、良いように使われようとしているって事だけだ。その前に秘宝に辿りつけりゃ良いんだが、今の時点ではシャツカンマー家について謎が深まっただけだな。俺たちだけじゃ情報収集は厳しい。……という訳で、頼むぜ?シャツカンマー家お姫様。」
「キモい。」
「…。」
『少しは歯に衣着せなさい…。』
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抹茶って美味しいよね(プロフ) - すみません。間違えました。実は、休暇を求める者さんの、作品2、3回くらい読み直してるんです。それ程面白くて…おこがましいと思うんですけど、フェアリーテイルのお話も作って欲しいです!! (2020年4月29日 22時) (レス) id: 8bfe17f4aa (このIDを非表示/違反報告)
抹茶って美味しいよね(プロフ) - 初めまして。今更ながら感想を書こうかと... (2020年4月29日 22時) (レス) id: 8bfe17f4aa (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 休暇を求める者さん» 大笑い♪♪冒頭しか、読んでいませんが、ルパン三世の登場人物そものですね。恐れいりました♪♪ (2019年12月17日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
なーなー@今日俺#最高かよ。(プロフ) - ふわぁあ!何日か来れていなかった間に絵が……追加されている…!!カッコいい!!大好きです!! (2019年4月25日 23時) (レス) id: 4de978dd23 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 灯籠さん» ほぁぁ良くぞ細かいところにお気づきで…:(;゙゚'ω゚'):時間のある時に一通り確認しようと思います、ありがとうございます。 (2019年4月22日 17時) (レス) id: ab4c20710e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:休暇を求める者 | 作成日時:2018年12月28日 17時