episode24 謎に包まれた血筋 ページ27
「ここの管理、ですか?」
「うん?……あ、言っていなかったっけ!僕、ファイク・シャツカンマー。一応、ここのオーナーなんだ。」
「『オーナー!?』」
あははと頭を掻きながら、さらりとカミングアウトした男性。博物館のオーナーともあろう人が、何故こんな真っ昼間から館内を悠々と歩いているのだろうか。Aはそこを突っ込みたかったが、ルパンは違う所が気になっているようだ。
「この博物館は、代々シャツカンマー家の血筋が管理しているという噂を聞きましたが、貴方が?」
「いや、僕の旧姓はアイブリンガー。シャツカンマー家に婿入りしたんだよ。だから本当のオーナーは僕の妻なんだけど、……亡くなっててね。」
気まずさを紛らわす様に、彼は笑ってみせた。そうか、母親が居ないというのは別れた訳では無く、もう2度と会えないという事なのか。
「お祖母様は元気なんだけど、オーナーを務めるにはもう体力が持たないって言われて、今に至るって感じかな。」
『そうなんですか…。ルパン三世のせいかお陰か、博物館おおいに賑わってますし、お忙しいですよね。お時間大丈夫ですか?』
隣から視線を感じたが、私は知らない。ファイクが時間を確認する為に軽く腕をまくると、色褪せ、年期の入ったミサンガが姿を見せた。Aの視線に気づいたのか、彼は懐かしむように説明してくれた。
「ああ、これかい?娘が小さい頃、僕に編んでくれたんだ。もう6、7年は付けてるけど、中々願い事が叶わないようでね。」
『それは長いですね。因みに、どんな願い事ですか?』
「…さあ……。僕は、一体何を望んでいるんだろうね。」
意味深な返事に、Aは首をかしげる事しか出来なかった。
「____やっぱり、シャツカンマー家は何か隠してるな。」
『え、そうなの?』
アジトのソファでレモンティーを飲みながら、呑気に返事を返すAに、ルパンは小さくため息をつく。
「おいおい、一体今日何しに博物館まで行ったんだよ。」
『人聞き悪いな、何も考えずに博物館回ってた訳無いだろ。視点が違うだけだ。』
「左様でございますか。」
『で、その推察について聞かせてくれるのか?』
「…今のオーナーについては例外だが、あの博物館は確かに代々シャツカンマー家の血筋で管理されてきている。全く血縁のない人間には館内の管理に一切関わらせていねぇ。
これは、ただのこだわりというよりは何か理由があるぜ。」
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抹茶って美味しいよね(プロフ) - すみません。間違えました。実は、休暇を求める者さんの、作品2、3回くらい読み直してるんです。それ程面白くて…おこがましいと思うんですけど、フェアリーテイルのお話も作って欲しいです!! (2020年4月29日 22時) (レス) id: 8bfe17f4aa (このIDを非表示/違反報告)
抹茶って美味しいよね(プロフ) - 初めまして。今更ながら感想を書こうかと... (2020年4月29日 22時) (レス) id: 8bfe17f4aa (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 休暇を求める者さん» 大笑い♪♪冒頭しか、読んでいませんが、ルパン三世の登場人物そものですね。恐れいりました♪♪ (2019年12月17日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
なーなー@今日俺#最高かよ。(プロフ) - ふわぁあ!何日か来れていなかった間に絵が……追加されている…!!カッコいい!!大好きです!! (2019年4月25日 23時) (レス) id: 4de978dd23 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 灯籠さん» ほぁぁ良くぞ細かいところにお気づきで…:(;゙゚'ω゚'):時間のある時に一通り確認しようと思います、ありがとうございます。 (2019年4月22日 17時) (レス) id: ab4c20710e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:休暇を求める者 | 作成日時:2018年12月28日 17時