episode22 もう嫌だ、異世界講座。 ページ25
「…すっかり日が沈んだな。ルパン、その子の宿は?」
「あ、どこ?」
「おい。」
こんな時間まで付き合わせておいて、とルパンをたしなめる五エ門。
『フライブルクの林の中に小屋を作ってある。』
「「…"作った"?」」
『あー、えっと……ああ面倒くせぇ!!私から何か変な表現が出たら疑問を持たずそのまま受け取ってスルーしてくれ!別に重要な事じゃ無いから!』
彼らの鋭い聴覚は素晴らしいが、1日喋り尽くしたAに、更に丁寧な説明を加えられる程の体力と寛容さは無かった。
『取り敢えず、私の宿はフライブルクにある!そして私はもう帰る!秘宝の捜索についてはまた明日、ここに来るからその時に。アドレス書いて置いてくから、ご自由に。…それじゃ、お邪魔しました。』
「あ、おいちょっと待……!」
Aを追って外に出るなり、ルパンは困惑した。もう既に彼女の姿がどこにも見当たらない。
「…ここからフライブルクまで、車で2時間掛かるんですけど……。」
その距離を知らずにまさか徒歩で帰った訳ではなかろうな、と心配になる。そんな彼の心情とは正反対に、次元は気楽に笑っていた。
「昼間の事といい、さっきの説明といい…さしずめ魔法使いってか?最早俺はあいつがホウキに乗って飛んでても驚かないぜ。」
「次元、そりゃ流石によぉ…。いや、そもそも徒歩オンリーな訳無えか。実際、フライブルクからこの街に来てたから俺らと会った訳だし。電車使ってる筈だよな。」
「うむ…。どちらにせよ、このような遅い時間に1人で帰らせたのは不安だが…。」
「スタスタ帰っちまったからなあ。連絡先貰っておいて良かったぜ。」
『……_______くしっ!春先でも流石に空気が冷たいな…。』
箒に跨りながら、寒さに身を縮めた。
『…こんな街中で待ち合わせとか、大丈夫なのか?』
秘宝の謎解きにあたり、どこを探るかをルパンとメールで打ち合わせした結果、事の始まりであるシャツカンマー博物館へ彼と行くことになった。
手分けして様々な場所や資料を調べた方が良いのではないか、と提案したが、ルパンはAが必要だという。
真意は分からないが、よくよく考えてみれば昨日の襲撃の事がある。ルパンと一緒に行動する方が、何かあった時に自分が対処出来るので結果オーライだった。
冒頭の呟きに戻るが、現在、シャツカンマー博物館前の噴水広場でルパンと待ち合わせている。
一向に赤いジャケットが現れないのだが……。
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抹茶って美味しいよね(プロフ) - すみません。間違えました。実は、休暇を求める者さんの、作品2、3回くらい読み直してるんです。それ程面白くて…おこがましいと思うんですけど、フェアリーテイルのお話も作って欲しいです!! (2020年4月29日 22時) (レス) id: 8bfe17f4aa (このIDを非表示/違反報告)
抹茶って美味しいよね(プロフ) - 初めまして。今更ながら感想を書こうかと... (2020年4月29日 22時) (レス) id: 8bfe17f4aa (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 休暇を求める者さん» 大笑い♪♪冒頭しか、読んでいませんが、ルパン三世の登場人物そものですね。恐れいりました♪♪ (2019年12月17日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
なーなー@今日俺#最高かよ。(プロフ) - ふわぁあ!何日か来れていなかった間に絵が……追加されている…!!カッコいい!!大好きです!! (2019年4月25日 23時) (レス) id: 4de978dd23 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 灯籠さん» ほぁぁ良くぞ細かいところにお気づきで…:(;゙゚'ω゚'):時間のある時に一通り確認しようと思います、ありがとうございます。 (2019年4月22日 17時) (レス) id: ab4c20710e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:休暇を求める者 | 作成日時:2018年12月28日 17時