episode16 不快な対面 ページ19
「ルパン、どういうこと!?」
『はぁん?出会い頭に指差すたぁ随分なご挨拶だな。ん?』
「お、お嬢さんここはどうか収めて〜…。」
目に影を落とすAが手を出さないように、両肩に手を添えるルパン。
ルパン一味の仮アジトに着くなり、そこにいた少年(少女?)に何故か睨まれ邪魔者扱いされ、とんだ災難である。
「僕を一味に入れる約束でしょ!?」
「いや快諾はして無いけどね?…まあ、仕方なくそういう事になってはいるけど。」
「何でもう一人連れてきたの、僕じゃ役立たずだって?」
「えぇ?違う違う、こっちのお嬢さんは成り行きでここに来ただけだ。何がそんなに不満だってんだ?」
「……もういい!」
自分の気持ちを分かってもらえず、ルパンからそっぽを向く。そこから視線を移し、予想外の来訪者を忌々しげに睨んだ。
「……僕は認めないから。」
『……はい……?』
彼女が戸惑っている内に、隣の部屋へ少年(少女?)は行ってしまった。バタンッと乱暴に閉じられた扉からは、不機嫌さが滲み出ていた。
『…な…な……
何だあの失礼なクソガキは………っ。』
「わ、悪い悪い。あいつもびっくりしただけなんだと思うぜ。許してやって頂戴よ。」
喧嘩っ早い奴等だなと苦笑いしつつ、わなわなと震えながら必死に怒りを抑えている彼女に取り敢えず謝っておく。
「あいつ、フレイヤっていうんだけどな。色々あって、ここに置かざるを得なくなってる状況だ。まさか脅されるとは思わなかったぜ…。」
「そういや、嬢ちゃんの名前。聞いてなかったな。…おっと失敬、俺は次元大介だ。」
『兎ノ峰Aです。…あの、脅されたって、何があったんですか?』
「…取り敢えず、雑談といこうか。」
頰を掻きながら、苦笑いでルパンがソファを指した。
『………あの子、相当スペック高いんだ…。しかも女の子か…。』
「ほ〜んと、びっくりだろ?けどよ、今頃親御さんが必死に探してる筈だ。どうにか帰そうと思ってるんだけどよ…頑として承諾しちゃくれねぇのよ。」
とほほ、とでも言いたげに肩を落とすルパン。隣でため息をつく次元の様子を見ると、やはり相当困っているようだ。
彼女は、一体何の目的で彼ら泥棒と関わっているのだろうか。
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抹茶って美味しいよね(プロフ) - すみません。間違えました。実は、休暇を求める者さんの、作品2、3回くらい読み直してるんです。それ程面白くて…おこがましいと思うんですけど、フェアリーテイルのお話も作って欲しいです!! (2020年4月29日 22時) (レス) id: 8bfe17f4aa (このIDを非表示/違反報告)
抹茶って美味しいよね(プロフ) - 初めまして。今更ながら感想を書こうかと... (2020年4月29日 22時) (レス) id: 8bfe17f4aa (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 休暇を求める者さん» 大笑い♪♪冒頭しか、読んでいませんが、ルパン三世の登場人物そものですね。恐れいりました♪♪ (2019年12月17日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
なーなー@今日俺#最高かよ。(プロフ) - ふわぁあ!何日か来れていなかった間に絵が……追加されている…!!カッコいい!!大好きです!! (2019年4月25日 23時) (レス) id: 4de978dd23 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 灯籠さん» ほぁぁ良くぞ細かいところにお気づきで…:(;゙゚'ω゚'):時間のある時に一通り確認しようと思います、ありがとうございます。 (2019年4月22日 17時) (レス) id: ab4c20710e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:休暇を求める者 | 作成日時:2018年12月28日 17時