episode14 襲撃 ページ17
「あ?何だっ………_________!?」
自身の真横を勢い良くかすった何かに、驚きのあまり声がでなくなる次元。
それは明らかに銃弾では無かった、ナイフでも爆弾でも、火の玉でも無かった。
強いて言えば……
「…………ミニ波動砲?」
『冷静に分析しねぇでいいから早よ逃げろっ!!!』
これはただ事では無い、と2人も判断したようだ。今度はAがルパンの手を引っ張り、敵の死角まで走る。
ちょうど良くあった茂みに2人を無理矢理放り込むと、彼女はどこからか銃を取り出し、2人にとっては聞き慣れない呪文を路地裏に凛と響かせた。
『"アイシクル"!!』
そこからはもう、驚愕と恍惚に満ちた、一瞬の出来事だった。
彼女の声に反応するかのように、何も無い空中から氷塊が現れ、屋根の上に潜む敵目掛けて突進。それを躱して姿を現した敵に、Aは銃弾を撃ち込む。勿論、その弾も鉄の鉛では無かった。
それを肩で受けた敵は、傷口を抑えながら撤退した。Aの予想よりも案外あっさりと引き上げていったが、増援が来ないとも限らない。
…こんな事、今までで初めてだ。
「なあ……おい、ルパン。俺たちは一体…何を見たんだ?」
「……さあな……。」
『後でいくらでも教えてやる。それよりも、早くここから離れるべきだ。マークされない内に!』
茂みの中で、ポカンといった表情のまま固まっていた次元とルパン。無理も無い。しかし時間も無いので、まだ少し呆然としている2人の背中を押して、何とか立ってもらった。
「あ、ああ。…にしてもお前、一体_________」
遠くから聞こえるパトカーのサイレン。徐々に大きくなってきた。どうやら、この場所での騒ぎが知れ渡ってしまったらしい。銃声も鳴っていた事だから、当然といえば当然だろう。
「どちらにせよ、今は逃げるのが先みてえだな。」
ルパンはそう苦笑いを零すと、再び彼女の手をとり、車を止めてある所まで走った。
『_________ん?ちょっと待て、何で私まで警察から逃げているような感じになってるんだ。同行する必要は無かったんじゃ。』
数十メートル走り出した車の中で、突如沈黙が破られる。
「"あの光線は何だ"とか"氷塊が何故発生したのか"とか質問されて、解剖実験体にされないように警察や政府や研究者団体を完璧に論破出来るならあの場に居ても良かっただろうな。」
『………………。』
た、助かりました(?)
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抹茶って美味しいよね(プロフ) - すみません。間違えました。実は、休暇を求める者さんの、作品2、3回くらい読み直してるんです。それ程面白くて…おこがましいと思うんですけど、フェアリーテイルのお話も作って欲しいです!! (2020年4月29日 22時) (レス) id: 8bfe17f4aa (このIDを非表示/違反報告)
抹茶って美味しいよね(プロフ) - 初めまして。今更ながら感想を書こうかと... (2020年4月29日 22時) (レス) id: 8bfe17f4aa (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 休暇を求める者さん» 大笑い♪♪冒頭しか、読んでいませんが、ルパン三世の登場人物そものですね。恐れいりました♪♪ (2019年12月17日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
なーなー@今日俺#最高かよ。(プロフ) - ふわぁあ!何日か来れていなかった間に絵が……追加されている…!!カッコいい!!大好きです!! (2019年4月25日 23時) (レス) id: 4de978dd23 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 灯籠さん» ほぁぁ良くぞ細かいところにお気づきで…:(;゙゚'ω゚'):時間のある時に一通り確認しようと思います、ありがとうございます。 (2019年4月22日 17時) (レス) id: ab4c20710e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:休暇を求める者 | 作成日時:2018年12月28日 17時