episode10 天才ハッカー ページ13
「いってぇぇぇ!?コンニャロー、何しやがる!」
「僕はもう14だ!子供扱いしないで欲しいね。それに、女性に対して第一声がそれって失礼じゃないか。」
「いやどっからどう考えてもまだ子供じゃねぇか。……あ?女性?」
一人称ですっかり思い込んでいた次元だが、改めてその容姿を確認した。
ジーンズにフード付きトレーナー、中性的な長さのストレート茶髪、そして眼鏡。
「……女性、ねぇ………ダハァッ!?」
今度は次元がサイコロの餌食に。
「今のは立派な偏見と差別だ。」
「まあまあ、落ち着けよ。そのサイコロを投げる技は認めるさ。……けど、ちょいと考えが甘いんじゃねえか?お嬢ちゃんの目の前にいるのは、怖ぁ〜〜い泥棒だぜ。」
手に持っていた拳銃を軽く振って威嚇してみるが、どうやら効果が無い様子。
「撃つなら撃てばいい、だけど僕を殺したらルパン三世の泥棒の美学に反するんじゃないの?それに、僕は今すぐあんた達を警察に突き出せる。」
「へえ、そりゃ凄いや。どうやって?」
「どうとでも出来るよ、パソコンをハッキングされておいて随分と余裕だね。」
「……まさか、お前がやったのか…?」
「…さっきそう言ったじゃん。ルパン三世、あんたが通った通路に防犯トラップは確かに無い。その代わり、僕が独自にプログラミングした最新機器のセンサーがあったんだ。そこから携帯電話をスキャン、そしてパソコンの中身を見せてもらった。車のトランクに40分も息を潜めるのは大変だったけど。」
「…こ〜りゃ、驚いたな…。」
14歳という年齢でここまでやってのけてしまう、その頭脳。ルパンは開いた口が中々閉じなかった。
だがしかし、パソコンが常にセキュリティ万全であるとは彼も考えていない。万が一盗まれたりハッキングされた時の対処法はあるが、いかんせん、この少女がどういう風にでてくるのかが分からない。
そもそも、通路のこと然り、今の状況然り、彼女に自分たちを捕まえる意思は無さそうだ。ならば一体_________
「お前、なんで俺たちの後を追って来た?」
ルパンの問いに、彼女は待ってましたと言わんばかりに決意の眼差しを向けた。
「お願いがあるんだ。」
_________僕を、一味に入れて。
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抹茶って美味しいよね(プロフ) - すみません。間違えました。実は、休暇を求める者さんの、作品2、3回くらい読み直してるんです。それ程面白くて…おこがましいと思うんですけど、フェアリーテイルのお話も作って欲しいです!! (2020年4月29日 22時) (レス) id: 8bfe17f4aa (このIDを非表示/違反報告)
抹茶って美味しいよね(プロフ) - 初めまして。今更ながら感想を書こうかと... (2020年4月29日 22時) (レス) id: 8bfe17f4aa (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 休暇を求める者さん» 大笑い♪♪冒頭しか、読んでいませんが、ルパン三世の登場人物そものですね。恐れいりました♪♪ (2019年12月17日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
なーなー@今日俺#最高かよ。(プロフ) - ふわぁあ!何日か来れていなかった間に絵が……追加されている…!!カッコいい!!大好きです!! (2019年4月25日 23時) (レス) id: 4de978dd23 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 灯籠さん» ほぁぁ良くぞ細かいところにお気づきで…:(;゙゚'ω゚'):時間のある時に一通り確認しようと思います、ありがとうございます。 (2019年4月22日 17時) (レス) id: ab4c20710e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:休暇を求める者 | 作成日時:2018年12月28日 17時